武雄温泉新館

武雄温泉新館は、佐賀県武雄市に位置する歴史的建造物であり、国の重要文化財に指定されています。この建物は、1915年に完成し、設計は日本の近代建築に多大な影響を与えた辰野金吾によるものです。

沿革

武雄温泉新館は、1914年11月20日に上棟し、翌1915年4月12日に落成しました。地上2階建ての入母屋造りで、延べ床面積は409.5平方メートルです。建物正面中央には玄関車寄せが設けられ、主体部から両翼に平屋部分が張り出す構造となっています。背面には八角形の大浴場や、大正天皇のために特別に作られた浴室が存在します。

この新館は、当時の建築界を牽引していた辰野金吾が手掛けた数少ない和風建築の一つとして知られています。辰野金吾は、東京駅などの西洋建築でその名を知られていますが、武雄温泉新館では、日本の伝統的な建築様式と近代的なデザインが見事に融合されています。建築当初から公衆浴場として利用されていましたが、老朽化により1973年に休館となりました。

その後、1986年に佐賀県の重要文化財に指定され、2000年には創建時の建築に忠実に復元することが決定されました。復元に向けた調査は、地元の建築士グループ「まち研武雄」が担当しました。そして2003年、復元工事が完了し、2005年7月22日に国の重要文化財として指定されました。現在は、武雄温泉に関する資料館として一般に公開されています。

周辺情報

武雄温泉新館の周辺には、同じく辰野金吾が設計した武雄温泉楼門があります。この楼門も新館と同じ年に落成されており、武雄温泉のシンボルとして親しまれています。また、武雄温泉自体も歴史ある温泉地であり、多くの観光客が訪れます。

アクセス

武雄温泉新館へのアクセスは、JR佐世保線の武雄温泉駅から徒歩約10分です。駅からのアクセスも良く、観光しやすい立地となっています。

特記事項

武雄温泉新館は、単なる温泉施設としてだけでなく、建築物としても非常に価値が高いです。辰野金吾の設計思想や、当時の建築技術を垣間見ることができる貴重な建造物であり、建築史を学ぶ上でも重要な資料となっています。

また、同様に資料館に転用された共同浴場建物として、浜田温泉資料館も挙げられます。これらの施設は、地域の歴史や文化を伝える役割を担っています。

武雄温泉新館は、その美しい外観と歴史的な背景から、訪れる人々に深い感銘を与える場所です。武雄市を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

武雄市観光協会

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