歩行者利便増進道路

歩行者利便増進道路（ほこみち）とは

歩行者利便増進道路（ほこみち）とは、道路法に基づき、道路管理者が指定する道路のことです。この制度は、歩行者の利便性向上と、道路空間の有効活用を目的としています。

制度の概要

ほこみち制度では、道路管理者が歩道内に「歩行者の利便増進を図る空間」を設けることができます。これにより、道路空間をより柔軟に活用することが可能になります。特に、以下の2点が大きな特徴です。

1. 空間活用の柔軟化:
特例区域を設定することで、道路占用許可が柔軟になります。
道路管理者が占用者を公募できるようになります。
占用期間が通常5年のところ、最長20年まで延長可能になります。
これらの措置により、オープンカフェやテラス席などを設けやすくなり、歩行者が快適に過ごせる空間づくりが促進されます。

2. コロナ禍における特例措置から恒久制度へ:
新型コロナウイルス感染症対策として、広い歩道の一部を占用して飲食店の席を設けることができる「コロナ占用特例」が設けられました。
この特例措置は数度の延長を経て2023年3月31日までとされましたが、活用可能な地域では、恒久措置としてほこみち制度への移行が推奨されました。
これにより、ほこみちの指定箇所は急速に拡大しました。

制度の沿革

2020年5月27日: 道路法改正により、ほこみち制度が制定されました。
2021年2月12日: 大阪市の御堂筋、神戸市の三宮中央通り、姫路市の大手前通りが、全国で初めてほこみちに指定されました。

指定状況

2024年4月までに、58の道路管理者により139路線がほこみちに指定されています。これらの情報は、国土交通省の「ほこみち事例集」などで確認できます。

関連制度

ほこみち制度は、以下の制度とも関連があります。

国家戦略特別区域法: 国家戦略道路占用事業（第17条）
都市再生特別措置法: 道路占用許可の特例（第62条）

これらの制度と連携することで、より効果的な道路空間の活用が期待されています。

その他の関連団体・概念

道路協力団体
エリアマネジメント

脚注

国土交通省のウェブサイトや、関連団体が公開している資料に、より詳しい情報が掲載されています。

外部リンク

道路：ほこみち - 国土交通省
ほこみち研究会
* 歩行者利便増進道路制度について　〜 コロナ禍から人中心のみち活用 〜 国土交通省道路局 環境安全・防災課 道路行政セミナー

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