死刑台のエレベーター

映画『死刑台のエレベーター』の詳細

『死刑台のエレベーター』（仏: Ascenseur pour l'échafaud、英: Elevator to the Gallows）は、1958年に公開されたフランスの映画で、ルイ・マル監督のデビュー作です。この作品は、ノエル・カレフのサスペンス小説を基にしています。映画は、ルイ・デリュック賞を受賞し、音楽には伝説のジャズトランペッターであるマイルス・デイヴィスが起用され、彼の美しい即興演奏が作品に深い感情と緊張感を加えています。

物語のあらすじ

物語は、夜のパリを舞台に構築されています。主人公のジュリアン・タヴェルニエは、フロランス・カララの夫が運営している企業の従業員であり、二人は密かに恋人関係を築いていました。ジュリアンは、フロランスの夫を自殺に見せかけて殺害する計画を立て、このアクションは彼の厳しい運命の引き金となります。彼は一度は会社の外に出ますが、証拠隠滅のために戻ると、運悪くエレベーターに閉じ込められてしまいます。この出来事が、彼の計画に思わぬ影響を与えていくことになります。

愛する恋人の行方を心配したフロランスは、涼しい夜の街をさまよい、彼を探し続けます。物語は、ジュリアンの恋に焦がれる花屋とその恋人の視点も交えつつ進行し、様々な人物との交錯から予期せぬ事態へと導かれていくのです。この作品は、出発点から生じる運命のいたずらや、愛情と裏切りの交錯を鮮やかに描き出しています。

キャスト

主要キャストには、ジュリアン・タヴェルニエを演じたモーリス・ロネ、フロランス・カララ役のジャンヌ・モロー、そしてチンピラのルイを演じたジョルジュ・プージュリイがいます。また、花屋の店員ベロニク役にはヨリ・ベルタン、シェリエ警部はリノ・ヴァンチュラが出演しています。物語の緊張感を引き立てるそれぞれのキャラクターが巧みに描かれており、視聴者は彼らの運命に引き込まれていくことでしょう。

音楽とその背景

映画の音楽は、当時フランスでツアー中だったマイルス・デイヴィスが手がけました。彼はボリス・ヴィアンの紹介を受けてルイ・マルと出会い、彼のカルテットメンバーとともにラッシュフィルムを観ながら即興的に演奏を録音しました。この音楽は、映画の緊迫した雰囲気と相まって、非常に印象深いものとなっています。

日本での放送とリメイク

日本では、1969年にNETテレビで放映され、その後1975年に日本テレビ版、1978年には東京12ch版も放送されました。また、1993年にはテレビドラマとしてリメイクされ、フジテレビ系列にて放送されました。さらに、2010年にも新たに映画として公開され、日本リメイク版に合わせたニュープリント版も公開されています。

このように『死刑台のエレベーター』は、サスペンスとロマンを見事に組み合わせた名作であり、観客に深い印象を与え続けています。

もう一度検索