死刑廃止を推進する議員連盟

死刑廃止を推進する議員連盟について

死刑廃止を推進する議員連盟（以下、死刑廃止議連）は、1994年に始まった日本の超党派による議員団体です。この団体の設立は、当時の公明党所属国会議員・二見伸明の呼びかけによって実現しました。設立当初は、衆議院と参議院を合わせて103名の国会議員が参加しており、初代会長には元衆議院議長の田村元が就任しました。その後、会長職を引き継いだのは左藤恵元法務大臣、続いて竹村泰子、さらに亀井静香らが歴代の会長を務めてきました。

議連の主な目的は、日本国内における死刑制度の廃止を目指し、関連する法律や政策の提案を行うことです。2003年に、死刑廃止議連は超党派で「重無期刑の創設及び死刑制度調査会の設置等に関する法律」を制定しました。この法律によって、死刑に対する議論が深まることを意図しています。また、メンバーは死刑についての会合に参加し、廃止を訴える活動に取り組んでいます。さらに、死刑が執行された際には記者会見を開き、抗議の姿勢を示すこともあります。

議連のメンバーとして活躍していた民主党の千葉景子は、法務大臣に就任したことで議連を退会しました。彼女は次の内閣でも法務大臣を続けましたが、2010年の選挙で落選した後、死刑執行を命じるという形で議連とその立場が異なる決定を下しました。現在、死刑廃止議連は、以下の3つのポイントを中心とした活動に注力しています。

1. 重無期刑の創設（仮釈放のない無期刑）
2. 死刑評決の特例化
3. 両院に死刑問題に関する協議機関設置

これらの内容を含む議員立法「重無期刑の創設及び死刑に処する裁判の評決の特例等に関する法律案」に向けた取り組みが進められています。2022年には、議連の活動が活発化し、法務省が開催する死刑に関する勉強会にも出席し、意見を述べました。その際、亀井静香会長や村越祐民事務局長、本多平直幹事の3名が参加し、死刑制度のあり方についての議論に貢献しました。

しかし、会長である亀井静香が議員を引退した後は、議連の活動が一時低迷し、休眠状態に入ります。2018年12月には新たに「日本の死刑制度の今後を考える議員の会」として再スタートを切りました。この会での会長職は非議員の河村建夫が引き受け、その後2022年3月には衆議院議員の平沢勝栄が新たに会長に就任しました。

現在のメンバーには、公明党の斉藤鉄夫や社会民主党の福島瑞穂が副会長として名を連ねています。顧問や事務局長は空席の状態ですが、自由民主党や立憲民主党、日本共産党等の幹事が多様な背景を持つ議連の活動を支えています。これまでに、議連に参加していた多くの議員が引退や落選によりメンバーから外れたものの、その目的は引き続き多くの政治家によって引き継がれています。

日本国内の死刑制度についての議論は未だに続いており、国際的にも重要なテーマとして位置づけられています。死刑存廃問題は国永続的に議論されており、未来を見据えた法制度のあり方が求められる中、死刑廃止議連はその中心的な役割を担っています。

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