段列

段列（だんれつ）とは：軍事作戦を支える後方支援の要

段列とは、軍事作戦において、前線で戦闘を行う部隊を後方から支援する組織、体制のことです。戦闘部隊が常に最高の状態で任務を遂行できるよう、補給、整備、衛生など、多岐にわたる支援を提供します。

段列の概要

中隊規模以上の部隊が作戦行動を行う際、弾薬、食料、燃料といった物資の補給や、車両、火器の整備は不可欠です。また、負傷者の治療や後送も重要な任務となります。これらの支援活動を行う部隊や人員、活動区域を総称して「段列」と呼びます。

段列は通常、補給系統が中心となって編成・統率されますが、整備、衛生など、後方支援に関わる部隊も含まれます。段列の配置場所は、敵の攻撃を受けにくい、前線から離れた地域が選ばれることが一般的です。ただし、戦闘団のような大規模な部隊を支援する場合は、戦闘状況に合わせて徐々に前進することもあります。

段列の主な組織と任務

段列は、以下のような組織で構成され、それぞれの役割を担います。

段列地域の長： 段列全体の指揮を執ります。通常、支援部隊長または後方任務を担う部隊長が任命されます。陸上自衛隊では、連隊や大隊の後方支援は第4科（係）長が統制し、師団規模では司令部付隊管理小隊などが展開します。
補給： 戦闘に必要な物資（弾薬、燃料、食料など）を前線部隊に届けます。連隊や大隊には補給小隊が設けられ、物資の調達、輸送、管理を行います。食料の調理は、各部隊から派遣された人員が担当することもあります。
整備： 前線で修理できない火器や車両の故障に対応します。装備品の交付も行います。連隊や大隊には直接支援中隊（小隊）や専門の整備部隊が配置され、迅速な修理と装備の維持に努めます。
衛生： 戦闘で負傷した兵士の治療や後送を行います。連隊や大隊には衛生小隊（班）が配置され、応急処置や搬送を行います。重傷者は、より安全な後方の病院へ後送されます。
警備： 段列地域の警戒・監視を行います。主に予備役兵や新兵など、戦闘要員としては即戦力とならない人員が配置されることが多いです。

段列の重要性

段列は、軍事作戦を成功させる上で不可欠な存在です。十分な補給がなければ、兵士は戦闘を継続できません。故障した兵器を迅速に修理できなければ、戦力は低下します。負傷者を適切に治療できなければ、士気が低下します。段列は、これらの問題を解決し、前線部隊が戦闘に集中できる環境を整えることで、作戦の成功に大きく貢献します。

参考文献

野砲兵第22連隊第1大隊段列 「野砲兵第22連隊第1大隊段列陣中日誌」 防衛省防衛研究所図書館蔵、1941年。
高井三郎 「現代の砂漠戦を制した超サポートライン」『丸』2003年7月号。
軍事情報研究会 「アメリカ軍の戦争マニュアル(2)戦場の補給戦!野戦兵站システム」『軍事研究』2003年8月号。
小平喜一 『湖南戦記―知られざる日中戦争のインパール戦』 光人社〈光人社NF文庫〉、2007年。
歴史探検隊 『50年目の「日本陸軍」入門』 文藝春秋〈文春文庫〉、1991年。

関連項目

兵站
レーション
野外炊具
野外洗濯セット

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