段取り力検定

段取り力検定、通称PWA（Project Work Ability）検定は、かつて大阪商工会議所が実施していた検定試験です。この検定は、プロジェクトマネジメントの考え方を基盤としており、効率的な仕事の進め方を身につけることを目的としていました。

試験形式はマークシート方式で、受験者はビジネス知識、企画知識、計画知識、リスク管理知識といった幅広い分野から出題される問題に解答しました。合格基準は満点の70%以上と設定されており、体系的な知識と応用力が求められました。

出題範囲

ビジネス知識
企業の目的、組織構造、ビジネスモデル、ステークホルダー（利害関係者）の概念、PDCAサイクル、プロジェクトの定義など、ビジネスにおける基礎知識が問われました。組織全体を理解し、プロジェクトがどのようにビジネスに貢献するかを把握する能力が重要視されました。
企画知識
問題解決のためのMECE（Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive：相互に排他的かつ網羅的）やロジックツリーといった手法、プロジェクトの3要素（期間、資源、目標範囲）など、プロジェクトを企画立案する上で不可欠な知識が出題されました。論理的思考力と問題解決能力が評価されました。
計画知識
作業を細分化する手法、作業分解図（WBS：Work Breakdown Structure）の作成、各作業の優先順位付け、役割分担、クリティカルパス法、スケジュール作成、予算設定など、プロジェクトを成功に導くための計画立案に関する知識が問われました。計画の実行可能性と効率性を高める能力が重視されました。
リスク管理知識
リスクの洗い出し、リスク評価、進捗管理、報・連・相（報告・連絡・相談）など、プロジェクトにおけるリスクを管理し、問題発生を未然に防ぐための知識が出題されました。リスク対応能力と危機管理能力が評価されました。

段取り力検定は、プロジェクトマネジメントの基礎を学ぶ上で有益なものでしたが、残念ながら現在は実施されていません。しかし、その考え方は、現代のビジネスシーンにおいても非常に重要であり、自己学習や他の資格取得を通じて、その知識を深めることができます。

関連資格

ITパスポート試験：情報処理推進機構（IPA）が認定する国家資格であり、情報技術だけでなく、マネジメントに関する知識も問われます。試験範囲に段取り力検定との類似点が見られます。
プロジェクトマネージャ試験：情報処理推進機構（IPA）が認定する国家資格であり、プロジェクトマネジメントに関する高度な知識とスキルが求められます。より専門的な知識を深めたい方におすすめです。
* ビジネスマネジャー検定：東京商工会議所が認定する資格称号であり、ビジネスマネジメントに関する幅広い知識が問われます。管理職を目指す方や、ビジネス全般の知識を向上させたい方におすすめです。

これらの資格取得を目指すことで、段取り力検定で学んだ知識をさらに発展させ、ビジネスにおける自身の価値を高めることができるでしょう。

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