段木一行

段木一行（だんぎ かずゆき）氏は、1931年8月18日生まれの日本史学者、博物館学者です。千葉県に生まれ、國學院大學文学部史学科を卒業後、1958年に法政大学大学院修士課程を修了しました。

その後、東京都教育庁に学芸研究職として勤務し、文化財調査担当課長補佐などを歴任しました。1988年には、「中世村落構造の研究」で法政大学から文学博士号を授与されました。

長年にわたり、法政大学文学部で教鞭をとり、2002年に定年退任されました。退任後は、秋山庄太郎写真芸術館の館長を務めるなど、多岐にわたる分野で活躍されています。

専門は、博物館学と日本中世史研究であり、特に中世の村落構造や、離島の歴史、文化財に関する研究に力を注いできました。また、近世海難史の研究など、幅広い分野で学術的な貢献をしています。

主な著書

『武蔵野歴史探訪』（新人物往来社, 1972年）
『離島伊豆諸島の歴史 風土・伝説・生活』（武蔵野郷土史刊行会, 1976年）
『東京文化財散歩』（学生社, 1977年）
『離島小笠原と伊豆七島の歴史 風土・伝説・流人』（武蔵野郷土史刊行会, 1978年）
『青梅・立川・三鷹・吉祥寺・武蔵野史跡散歩』（学生社, 1979年）
『東京歴史の散歩道』（第一法規出版, 1981年）
『江戸の町とくらし』（学生社, 1982年）
『伊豆七島文書を読む』（雄山閣出版, 1984年）
『中世村落構造の研究』（吉川弘文館, 1986年）
『学芸員の理論と実践』（雄山閣出版, 1997年）
『博物館資料論と調査』（雄山閣出版, 1998年）
『流刑』（小説、文芸社, 2011年）
『近世海難史の研究』（吉川弘文館, 2015年）

共編著

『日本城郭大系 第5巻 埼玉・東京』（新人物往来社, 1979年） - 柳田敏司氏との共編
* 『前期旧石器問題とその背景』（法政大学文学部博物館学講座編, 2002年） - 監修

これらの著書や論文からもわかるように、段木氏は、日本史研究、博物館学の分野において、非常に重要な役割を果たしてきた人物と言えるでしょう。特に、中世村落構造研究は、その後の日本の歴史研究に大きな影響を与えました。

また、博物館学においては、学芸員の役割や博物館資料の重要性について深く考察し、その理論と実践に貢献しました。さらに、離島の歴史や文化財に関する研究も積極的に行い、その成果は数多くの著書や論文にまとめられています。多岐にわたる分野での研究活動を通じて、学術界に大きな足跡を残しています。

段木氏の幅広い知識と深い洞察力は、多くの研究者や学生に影響を与え続けており、日本の歴史学、博物館学の発展に大きく貢献した人物として、今後もその功績が語り継がれていくことでしょう。

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