殺人の告白

殺人の告白

『殺人の告白』（原題：내가 살인범이다）は、2012年に韓国で公開されたサスペンス・アクション映画です。韓国で実際に発生し、映画『殺人の追憶』の題材にもなった「華城連続殺人事件」から着想を得て製作されました。監督・脚本はチョン・ビョンギルが務め、主演はパク・シフが演じています。本作品はPG12指定を受けています。

ストーリー

物語の中心となるのは、十人もの女性が犠牲となった未解決の「連谷連続殺人事件」です。この事件を担当していた刑事チェ・ヒョングは、長年の捜査の末、遂に犯人を追い詰めます。しかし、激しい攻防の末に犯人を取り逃がしてしまったばかりか、顔に深い傷を負うこととなります。

事件発生から17年の歳月が流れ、公訴時効が成立したある日、一人の男が突如として世間に現れます。彼の名はイ・ドゥソク。彼は自分が連谷連続殺人事件の真犯人であると公に告白したのです。既に時効が成立しているため、法的に罪を問われる立場ではないドゥソクは、事件の詳細を克明に記した告白本「私が殺人犯だ」を出版します。

その衝撃的な内容に加え、端正なルックスを持つドゥソクはメディアの注目を浴び、告白本は瞬く間に300万部を超えるベストセラーとなります。犯罪者でありながら、社会現象とも呼べるスターへと祭り上げられていったドゥソク。

一方、犯人を取り逃がした過去を持つ刑事チェ・ヒョングは、ドゥソクの出現に強い憤りを感じます。さらにヒョングは、ドゥソクが告白本には書かれていない未解決の失踪事件にも関与しているのではないかと疑念を抱き、彼を独自に追うことを決意します。

ドゥソクは、因縁の相手であるヒョングを挑発し、メディアの露出を増やすことを目論みます。その挑発的な言動により、被害者遺族たちがドゥソクの殺害を計画するといった事件までが発生するなど、メディア報道は過熱の一途を辿ります。そんな騒動の中、突如として連谷事件の凶器を証拠として提示し、自分が真犯人であると主張する謎の人物「J」が現れるのです。

時効後の「告白」、メディアの狂騒、刑事の執念、被害者遺族の葛藤、そして新たな真犯人の登場。物語は予測不能な展開へと突き進んでいきます。

キャスト

主要キャストには以下の俳優陣が名を連ねています。

イ・ドゥソク：パク・シフ
チェ・ヒョング：チョン・ジェヨン
ハン・ジス：キム・ヨンエ
チェ・ガンスク：チョ・ウンジ
カン・ドヒョク：オ・ヨン
J：チョン・ヘギュン

日本での展開

本作は日本でも注目を集めました。

リメイク映画：2017年に『22年目の告白 -私が殺人犯です-』としてリメイクされ、藤原竜也と伊藤英明が主演を務めました。
舞台化：2022年6月には、サンシャイン劇場にて日本版の舞台が上演されました。ユナク、堂珍嘉邦らが出演しています。

映画、リメイク、舞台と、様々な形で展開された本作品は、法と正義、メディアの影響力、そして罪の償いといった重いテーマを投げかける社会派サスペンスとして、観る者に強い印象を残します。

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