殺人方程式

『殺人方程式 切断された死体の問題』は、綾辻行人氏による本格推理小説です。1989年にカッパ・ノベルスから刊行され、その後、光文社文庫、講談社文庫からも издательствsされています。続編として『鳴風荘事件 殺人方程式II』も発表されています。

あらすじ

物語は、東京都M市のマンション「レジデンスK」で発生した猟奇的な殺人事件から始まります。マンションの屋上で、首と左腕を切断された男性の遺体が発見されます。被害者の身元は不明でしたが、その後の捜査で、同じマンションの2階から発見された首が、新宗教団体「御玉神照命会」の教祖・貴伝名剛三のものであることが判明します。

しかし、剛三は事件当時、教団本部ビルで「お籠もり」という儀式の最中であり、外部との接触はありえないはずでした。事件の夜、偶然にも別の事件で「レジデンスK」を張り込んでいた刑事がいたことから、容疑者は剛三の義理の息子である光彦に絞られます。しかし、光彦を取り巻く証拠があまりにも揃いすぎていることに、警視庁捜査一課の刑事・明日香井叶の双子の兄である響は不審を抱きます。そこで響は、刑事である叶になりすまし、事件の真相を究明しようと動き出すのです。

登場人物

主要人物

明日香井 叶（あすかい きょう）: 警視庁捜査一課の刑事。温厚な性格で暴力嫌い。妻との結婚の条件として刑事になった。
明日香井 響（あすかい きょう）: 叶の一卵性双生児の兄。哲学者を目指す大学生。ヘビースモーカーで、独自の視点を持つ。
明日香井 深雪（あすかい みゆき）: 叶の妻。刑事という職業に憧れを抱いている。美人で聡明。

警察関係者

尾関 弘之（おぜき ひろゆき）: M警察署の刑事。
芳野（よしの）: M署の刑事。
多田 硬太郎（ただ こうたろう）: 捜査一課長。叶の上司。

御玉神照命会関係者

貴伝名 光子（きでな みつこ）: 「御玉神照命会」の教主。信者からの尊敬を集めていたが、不審な死を遂げる。
貴伝名 剛三（きでな ごうぞう）: 光子の夫で、後に教主となる。複数の愛人がいる。
弓岡 妙子（ゆみおか たえこ）: 「御玉神照命会」の広報部長で、剛三の愛人。
浜崎 サチ（はまざき さち）: 剛三の愛人。スナックを経営している。
浅田 常夫（あさだ つねお）: 照命会本部ビルの守衛。
塚原 雄二（つかはら ゆうじ）: 照命会本部ビルの守衛。熱心な会員。
野々村 史朗（ののむら しろう）: 事務局長。かつて光子の力で病を治してもらった。
貴伝名 光彦（きでな みつひこ）: 光子の息子。教団を嫌っている。

その他

岸森 範也（きしもり のりや）: 「レジデンスK」の住人。過去に犯した罪に脅かされる。
諸口 昭平（もろぐち しょうへい）: 「レジデンスK」の管理人。照命会の会員。
斎東 美耶（さいとう みや）: 剛三の愛人。ブティックを経営。
岬 映美（みさき えみ）: 光彦の恋人。過去に響と交際していた。
* 明日香井 ミヤコ（あすかい みやこ）: 響と叶の祖母。明日香井家で最も influence 力を持つ。

この作品は、複雑な人間関係と宗教団体の暗部を背景に、双子の兄弟が難事件に挑む本格ミステリーです。読者は、巧妙に仕掛けられたトリックと、意外な真相に驚かされることでしょう。

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