殺生丸

殺生丸 (せっしょうまる)

概要

殺生丸は、高橋留美子作の漫画『犬夜叉』に登場する重要なキャラクターです。犬夜叉の異母兄であり、強大な力を持つ完全な妖怪として描かれています。アニメオリジナル作品『半妖の夜叉姫』にも登場し、その動向が注目されています。

人物像

出自: 西国を根城とする大妖怪「犬夜叉の父」の長男。
外見: 人間換算で19歳ほどの美しい容姿を持ち、長い銀髪、額の三日月紋、腕と頬の紋様が特徴です。白い着物の上に腹巻を纏い、毛皮の肩掛けをしています。
性格: 誇り高く冷静沈着。当初は冷酷でしたが、りんとの出会いを経て徐々に変化し、人間への理解を深めます。父親への誇りを持ち、一族の血統を重んじる一方、半妖や人間を見下す傾向がありました。
能力: 犬夜叉以上の鋭い嗅覚を持ち、風の臭いだけで遠くの出来事を把握できます。

作中での動向

鉄砕牙への執着と変化

当初は父から受け継いだ癒やしの刀「天生牙」を軽視し、斬る妖刀「鉄砕牙」に執着していました。犬夜叉から鉄砕牙を奪おうとしますが、後に諦めます。りんとの出会いが彼の心を大きく変え、人間に対する考え方にも変化が現れます。

奈落との戦い

奈落との戦いを通じて、神楽との交流が深まります。神楽の死をきっかけに「誰かのために怒り、悲しむ心」が芽生え、天生牙が新たな力を得ます。また、琥珀を保護し、桔梗の死を伝えるなど、人間に対する接し方も変化していきます。

父との葛藤と決別

母親との出会いを通じて、りんが命を落としかける経験をし、「愛しき命を失う悲しみと恐れ」を知ります。父の真意を知り、犬夜叉との戦いを経て、鉄砕牙への執着を捨てます。そして、父親を越える大妖怪へと覚醒し、自身の刀「爆砕牙」を手に入れます。

戦いの後

奈落との戦いが終わった後、りんを楓の村に預け、定期的に贈り物を届けます。かごめから「お義兄さん」と呼ばれることを嫌がる一面も。

戦闘能力と技

基本: 強大な妖気を持ち、並みの妖怪なら触れただけで操られてしまう闘鬼神を力ずくで抑え込みます。高い腕力と身のこなしで、強力な一撃を繰り出します。自由に飛行することも可能です。
毒華爪: 爪から猛毒を発し、人間を一瞬で消滅させるほどの威力があります。
冥道残月破: 天生牙を鍛え直すことで得た技。空間を切り裂き、敵を冥界へ送り込みます。殺生丸の場合、他の使用者よりも巨大な冥道を開くことができます。
爆砕牙: 斬った物体を再生不可能なまでに爆砕し続ける刀。破壊力は鉄砕牙を上回り、奈落でさえ直接斬られればひとたまりもないと言われています。

得物

天生牙: 父から受け継いだ癒やしの刀。死者を一度だけ蘇生させることができます。
闘鬼神: 悟心鬼の牙から打たれた刀。凄まじい切れ味を持ちますが、殺生丸のような強い妖気を持つ者しか扱えません。
* 爆砕牙: 殺生丸自身の刀。斬った物体を爆砕し続ける、強力な破壊力を持つ刀です。

殺生丸は、物語を通して成長し、変化を遂げる魅力的なキャラクターです。その強さ、孤独、そしてりんとの出会いによる心の変化は、多くの読者の心を捉えました。

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