母との約束、250通の手紙

映画『母との約束、250通の手紙』

『母との約束、250通の手紙』（原題: La Promesse de l'aube）は、2017年に公開されたフランス・ベルギーの伝記映画です。この作品は、作家ロマン・ガリが母ニーナとの絆を通して描かれる物語で、彼の自伝的小説『夜明けの約束』を原作としています。監督はエリック・バルビエが務め、主演にはピエール・ニネとシャルロット・ゲンズブールなど、多彩なキャストが揃っています。

ストーリーの概要

物語はロマン・ガリがメキシコ滞在中に病気にかかり、妻レスリーとともに病院に向かうタクシーの中で展開されます。この移動中に、彼は母ニーナとの思い出を振り返ります。1914年、ロシア帝国領のヴィリナで生まれたロマンは、シングルマザーのニーナに強い愛情を注がれ育ちました。彼女は息子が未来の軍人や外交官、大作家になることを信じ、そのために厳しい教育を施します。

ニーナは反ユダヤ主義の影響で経営が不振となり、フランスのニースに移住し、そこでホテルを営むことに。彼女の期待に応えようとするロマンは執筆に励みつつ、重圧を感じながら成長します。第二次世界大戦勃発後、自由フランス軍として戦い、戦場から小説を執筆するものの、母との手紙のやりとりから彼女の体調に疑念を抱きます。

後に明らかになるのは、母がすでに数年前に亡くなっており、その事実を隠して彼を勇気づけるために手紙を送っていたという驚きの真実です。ロマンは後に外交官として成功を収め、大作家の道を歩む一方で、母の死という虚しさを抱えることになります。

キャストの紹介

映画には、主役のロマン・カツェフを演じたピエール・ニネや母ニーナ役のシャルロット・ゲンズブールをはじめ、様々なキャラクターが登場します。俳優アレックス・グベルナティスを演じるディディエ・ブルドンや、ロマンの妻レスリーを演じるキャサリン・マコーマックなど、豊かな表現が作品を彩ります。

受賞歴と評価

本作は第43回セザール賞において主演女優賞、脚色賞、美術賞、衣装デザイン賞の4部門にノミネートされましたが、受賞には至りませんでした。しかし、映画批評家たちの評価は上々で、アロシネの調査によれば、5点満点中3.3点、Rotten Tomatoesでは64%の高評価を受けています。

おわりに

『母との約束、250通の手紙』は、母子の絆や愛情の深さを描いた感動的な作品です。ロマン・ガリの人生を通じて、観客に深い感情と思索をもたらす物語となっています。

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