毎日デイリーニューズ
毎日デイリーニューズ(Mainichi Daily News)は、日本の主要な新聞社である
毎日新聞社が発行していた英字新聞です。その歴史は古く、日本の英字新聞としては特に長い伝統を持っています。
創刊と変遷
毎日デイリーニューズは、
1922年4月22日に当時の
大阪毎日新聞社によって、「ザ・オオサカ・マイニチ(The Osaka Mainichi)」として創刊されました。創刊以来、日本語では「英文毎日」の名称で広く知られ、日本における主要な英字メディアとしての地位を確立しました。
しかし、時代の変化と共に媒体も変化します。2001年3月31日をもって紙媒体による発行を終了し、翌4月からは
インターネット上の
ニュースサイトとして無料での配信に移行しました。このオンライン版は現在も継続されており、名称は「ザ・マイニチ(The Mainichi)」となっています。
2022年には、創刊から100周年を迎えました。
報道に関する問題事例
毎日デイリーニューズの歴史においては、いくつかの報道や記事内容に関する問題が発生しています。
昭和天皇崩御前提社説の誤掲載
1988年9月26日、紙面に「A Nation Plugged Into Grief(悲しみに沈む国家)」と題された社説が掲載されました。この社説は、昭和天皇の崩御を前提とした内容であったにもかかわらず、誤って掲載されるという前代未聞の事態となりました。これは、ある記者が個人的なメモとしてフロッピーディスクに保存していたデータを、別の記者が記事用データと誤認し、さらに
校正の過程でも発見されなかったために発生したとされています。
この誤掲載は大きな騒動となり、
毎日新聞社は直ちに社説を回収するなどの対応に追われました。この件の責任を取り、当時の取締役
主筆であった
小池唯夫氏が
主筆の任を解かれ、英文毎日局長の
近藤健氏が解任処分を受けるという事態に至りました。
WaiWaiコラムの問題
2008年5月下旬頃、
インターネット上の日本語コミュニティにおいて、毎日デイリーニューズのウェブサイトに掲載されていた「WaiWai」と題されたコラムについて、長期にわたり不正確かつ扇情的な記事が含まれているとの批判が急速に高まり、問題が表面化しました。特に日本の風俗や社会現象に関する記述に、事実に基づかない誇張や性的に露骨な表現が多いという指摘が相次ぎました。
この問題を受け、
毎日新聞社は事実関係の調査を行い、記事内容に問題があったことを認め、関係者の処分を発表しました。
「WaiWai」コラムに関連して、さらに重大な問題が発覚しました。このコラムの記事が、他社の新聞や雑誌記事から、
著作権者の許諾を得ずに無断で転用されていたことが明らかになったのです。
毎日新聞社の調査によると、合計32社の記事が
著作権を侵害する形で使用されていたとされました。
この無断使用は、ウェブサイトへの移行よりもはるか以前、1989年10月頃から行われていたと
毎日新聞社は説明しています。同社は2008年9月27日付の
毎日新聞朝刊に謝罪記事を掲載し、一連の不祥事について読者に謝罪しました。
関連事項
毎日デイリーニューズに関連する人物や事柄としては、元記者である
竹村健一氏、WaiWaiコラムを担当し問題の中心人物とされた元編集長のライアン・コネル氏などが挙げられます。また、長年にわたり人気漫画「ピーナッツ」を連載していたことでも知られています。
さらに、毎日デイリーニューズの編集者が関わった書籍として「タブロイド・トーキョー」シリーズがありますが、第三弾の出版は内容が低俗であるとして中止された事例があります。この出版中止には、「WaiWai」問題との関連性も指摘されましたが、出版社側は直接の関係を否定しています。
現在、毎日デイリーニューズは「ザ・マイニチ」として、
インターネット上でニュース配信を続けています。