毛利就泰

毛利就泰（もうり なりやす）は、寛永4年（1627年）に生まれ、長州藩の一門家老である阿川毛利家の4代当主を務めた人物です。彼の生涯は、藩政への貢献と領地の発展に尽力したことで特徴付けられます。

生涯

就泰は、阿川毛利家3代当主・毛利就方の子として誕生しました。初めは「繁沢」の苗字を名乗っていましたが、寛永20年（1643年）3月3日に、当時の藩主・毛利秀就から「伊織」の官途名と「就」の偏諱を与えられ、「就泰」（または「就嘉」とも）と改名しました。この改名からも、彼が藩主から厚い信頼を受けていたことがうかがえます。

延宝4年（1676年）8月21日、父・就方の長年の隠居願いが藩主・毛利綱広に聞き入れられ、就方が隠居しました。これに伴い、就泰が家督を相続し、阿川領主および長州藩の一門家老となりました。同時に、国元加判役（国元家老）にも任命され、藩政の中枢を担うこととなります。彼は、綱広と吉就の2代の藩主に仕え、天和元年（1681年）には当役となりました。

就泰の功績として特筆されるのは、領地の開発です。貞享4年（1687年）には、干潟250町歩を拝領し、開作（干拓）事業を積極的に推進しました。この干拓によって、領地の石高を大幅に増加させ、阿川毛利家の財政基盤を強化しました。彼の領地経営手腕が発揮された事例と言えるでしょう。

元禄2年（1689年）1月17日、就泰は63歳で死去しました。彼の死後、家督は嫡男の就芝が相続し、阿川毛利家はその後も長州藩において重要な役割を果たし続けました。

毛利就泰は、長州藩の藩政に深く関与し、領地の開発に尽力した人物として、その名が歴史に刻まれています。彼の生涯は、長州藩の発展に大きく貢献した一門家老の模範として、後世に語り継がれることでしょう。

参考文献

石川卓美著「防長歴史用語辞典」
『萩藩閥閲録』巻5「毛利宇右衛門」

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