毛利酒造

毛利酒造：福井の酒造りを支える老舗蔵元

福井県福井市東郷に位置する毛利酒造は、昭和13年（1938年）創業の長い歴史を持つ酒蔵です。県内の酒造組合に加盟する蔵元の中でも、昭和期に創業した唯一の蔵元として、その歴史と伝統を守り続けています。

創業の起源は、東郷地区にあった老舗の酒蔵「但馬屋」に遡ります。かつて義江家が営んでいたこの酒蔵を、毛利家が引き継いだことが、毛利酒造の始まりです。以来、地元福井の豊かな自然環境と伝統的な酒造りの技を活かし、数々の銘酒を生み出してきました。

毛利酒造の酒造りは、単に伝統を受け継ぐだけでなく、常に革新を追求しています。主力商品のひとつである「越前桂月」は、岩手県南部杜氏の高度な技術を導入することで開発されました。南部杜氏の熟練の技と、福井の地の利を活かした独自の製法により、洗練された味わいの日本酒が誕生しました。

「越前桂月」以外にも、「一意専心」や「紗利」など、それぞれの個性を持つ魅力的な銘酒が揃っています。それぞれの日本酒には、毛利酒造の情熱とこだわりが凝縮されています。原料の米選びから、醸造工程、そして瓶詰めまで、全ての工程において妥協のない姿勢を貫き、高品質な日本酒を造り続けています。

毛利酒造の日本酒は、国内のみならず海外でも高い評価を得ています。2014年には、経済産業省が主催したクールジャパン・ワールド・トライアル事業に「越前桂月」が採用され、パリでその魅力を世界に発信しました。これは、毛利酒造の日本酒の品質の高さと、国際的な競争力を持つことを示す大きな出来事でした。

現在も、毛利酒造は福井の酒造りを牽引する存在として、地域社会に貢献し続けています。伝統を守りながら、常に新しいことに挑戦する姿勢は、未来へ向けての成長を約束するものです。これからも、毛利酒造の銘酒は、多くの人々に感動と喜びを与え続けることでしょう。

参考文献:

* 東郷村誌　昭和31年発行

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