毛皮族

劇団毛皮族：エロ・バイオレンスと軽演劇の融合

劇団毛皮族は、2000年9月、江本純子を中心に結成された日本の劇団です。東京を拠点に活動し、江本純子が全作品の作・演出を手掛けています。

独自の劇風「テロエロ歌劇」

毛皮族の演劇スタイルは「テロエロ歌劇」と呼ばれ、エロティシズムとバイオレンスを大胆に融合させた表現が特徴です。しかし、その表現は決して安易なものではなく、社会への鋭い風刺や、人間の深層心理をえぐるような複雑なテーマを内包しています。初期作品においては、このテロエロ歌劇を前面に押し出した作品が多数上演されました。例えば、「鬼畜ロマン」「エロエロ大作戦」「ヤコブ横須賀泥だらけのSEX」など、過激なタイトルからもその作風を伺い知ることができます。

多様な表現への挑戦

近年は、初期の過激な作風にとどまらず、軽演劇やミニライブといった新たな表現にも積極的に取り組んでいます。「コーヒー&シガレッツ的な軽演劇」「みんなでカラオケ汗燦々」など、従来のテロエロ歌劇とは異なる、より親しみやすい作品も上演されています。これらの作品では、コメディ要素を取り入れたり、観客との距離を縮める試みが見られ、劇団の活動の幅が大きく広がっていることを示しています。

新プロジェクト「財団、江本純子」

2009年には、毛皮族とは異なるアプローチで演劇活動を行う新プロジェクト「財団、江本純子」（2011年3月に「劇団、江本純子」に改名）を始動させました。このプロジェクトでは、より社会性やメッセージ性を重視した作品を制作し、毛皮族とは異なる魅力を発揮しています。

主要メンバーと主な作品

劇団の主宰は江本純子です。他に、町田マリー、羽鳥名美子、高野ゆらこ、武田裕子、延増静美、平野由紀、高田郁恵、柿丸美智恵といった個性豊かな俳優陣が参加しています。


主な作品としては、「ボウリング物語」「ハンバーガーマシーンガーンホテールボヨーン」「ダンシングオールナイト DEEP KEGAWAZOKU」「エロを乞う人」「高麗人参毛具毛具」「実録！！ヌッポンオエロケ犯罪歌劇 夢中にさせて」「One Night Only Forever 100%純情」「DEEPキリスト狂」「お化けが出るぞ!!」「銭は君」「脳みそぐちゃぐちゃ人間」「天国と地獄」「おこめ」「遺骨のトットさん、ドブに落ちる」「暴れて嫌になる夜の連続」「大好き!!5つ軽演劇ちゃん」「社会派すけべい」「小さな恋のエロジー」など、多岐に渡ります。

まとめ

劇団毛皮族は、独自の劇風「テロエロ歌劇」で注目を集めながらも、軽演劇やミニライブ、そして「財団、江本純子」シリーズといった新たな挑戦を通じて、常に進化を続ける劇団です。エロ・バイオレンスを基調としつつも、社会への鋭い視線とユーモアを織り交ぜた作品群は、多くの観客を魅了し続けています。今後、どのような表現で観客を驚かせてくれるのか、目が離せません。

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