氏家大橋

氏家大橋：鬼怒川に架かる歴史と交通の要衝

栃木県さくら市と宇都宮市を繋ぐ国道293号には、氏家大橋が架かっています。本稿では、氏家大橋とその隣接する新氏家大橋について、建設経緯や構造、周辺環境などを詳細に解説します。

渡河手段から近代的な橋へ

氏家大橋が架橋される以前、鬼怒川を渡るには仮橋や渡し船が頼りでした。増水時には通行が不可能となるなど、地域住民の移動手段は大きく制限されていました。この状況を改善するため、昭和33年2月に、現在の氏家大橋（宇都宮方面車線）の建設工事が開始されました。当時の路線名は県道氏家鹿沼線でした。そして、昭和39年4月、全長533m、幅員6mの橋が完成。事業費は2億8千万円でした。

交通量の増加と新橋の建設

その後、交通量の増加に伴い、新たな橋の建設が急務となりました。それまでの氏家大橋を上回る規模の橋として、昭和53年に新氏家大橋の建設工事が開始されました。新氏家大橋は、昭和59年1月に竣工。全長534.5m、幅員7.5mと、旧橋より大きく、事業費は11億9千2百万円でした。旧橋よりも高い耐水性と広幅員によって、交通渋滞の緩和や安全性の向上が期待されました。現在、新氏家大橋はさくら方面車線と歩行者・自転車用走行帯として利用されています。一方、旧橋は宇都宮方面車線として機能しています。

周辺環境と歴史

氏家大橋周辺には、東北新幹線が鬼怒川を渡る鬼怒川橋梁など、他の橋梁も存在します。（上流）鬼怒川橋梁（東北新幹線）- 氏家大橋 - 阿久津大橋-（下流）という位置関係にあります。氏家大橋の建設は、地域社会の発展に大きく貢献し、鬼怒川流域の交通網を整備する上で重要な役割を果たしました。『上河内町史』(240頁)には、この地域における橋梁建設の歴史や、氏家大橋の建設が地域住民の生活に与えた影響などが詳細に記されています。

まとめ

氏家大橋は、単なる橋梁というだけでなく、地域の歴史と発展を象徴する存在です。仮橋や渡し船から近代的な橋への移行は、地域住民の生活を大きく変えました。そして、交通量の増加に対応した新橋の建設は、更なる発展を支えています。氏家大橋は、これからも鬼怒川流域の交通の要衝として、その役割を果たしていくことでしょう。

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