民王 (テレビドラマ)

『民王』：政治コメディドラマの金字塔

『民王』（たみおう）は、池井戸潤の同名小説を原作とし、2015年7月から9月にかけてテレビ朝日系「金曜ナイトドラマ」枠で放送された日本のテレビドラマです。内閣総理大臣である武藤泰山と、その息子で大学生の翔の人格が入れ替わるという斬新な設定で、社会や政治に対する痛烈な風刺とユーモアを織り交ぜたポリティカルコメディーとして、多くの視聴者を魅了しました。

あらすじ

ある日、内閣総理大臣の武藤泰山と、その息子である大学生の翔の人格が突然入れ替わってしまいます。周囲に悟られないよう、二人は互いの役割を演じることになりますが、政治に全く興味のない翔は国会答弁に苦労し、一方の泰山も就職活動で苦戦を強いられます。そんな中、二人は様々な騒動に巻き込まれながらも、互いを理解し、成長していく姿が描かれます。

キャスト

武藤泰山: 遠藤憲一
日本の内閣総理大臣。保守的な政治家であり、昔ながらの価値観を重んじる。息子・翔との人格が入れ替わり、大学生としての生活を送ることに。
武藤翔: 菅田将暉
泰山の息子で、料理や美容に関心が高い「女子力男子」。父親への反発から自立を目指しアルバイト生活を送る。泰山と人格が入れ替わり、総理大臣として政治の舞台に立つ。
貝原茂平: 高橋一生
泰山の有能な秘書。冷静沈着で毒舌家。ドラマでの人気を受けてスピンオフ作品が制作された。
狩屋孝司: 金田明夫
内閣官房長官。泰山を支える盟友。

ドラマの特徴

社会風刺: 政治の世界を舞台に、権力闘争や腐敗、官僚主義などをユーモラスに描き出す。
キャスティング: 遠藤憲一と菅田将暉のW主演に加え、高橋一生など個性豊かな俳優陣が脇を固め、物語を盛り上げる。
展開: ドタバタコメディーでありながら、親子の絆や政治家の苦悩など、感動的な要素も含まれている。
オリジナル要素: 原作小説とは異なるエンディングや、翔のキャラクター設定など、ドラマ独自の脚色が加えられている。

制作の背景

プロデューサーの飯田爽が池井戸潤のファンであり、「金曜ナイトドラマ」枠に合う作品として池井戸自身から「民王」のドラマ化を提案されたことがきっかけです。キャスティングにおいては、飯田が以前から遠藤憲一に抱いていたイメージから武藤泰山役をオファーし、遠藤自身も原作と役柄を気に入ったことで出演が実現しました。

受賞歴

コンフィデンスアワード・ドラマ賞
作品賞
主演男優賞（遠藤憲一、菅田将暉）
助演男優賞（高橋一生）
脚本賞（西荻弓絵）
ギャラクシー賞月間賞（2015年9月）
ザテレビジョンドラマアカデミー賞
最優秀作品賞
助演男優賞（高橋一生）
脚本賞（西荻弓絵）
監督賞（木村ひさし、本橋圭太、山本大輔）

スピンオフ・関連作品

民王スペシャル〜新たなる陰謀〜: 連続ドラマのその後を描いたスペシャルドラマ。
民王スピンオフ〜恋する総裁選〜: 貝原茂平を主役としたスピンオフドラマ。
民王番外編 秘書貝原と6人の怪しい客: ビデオパスおよびテレ朝動画で配信されたスピンオフドラマ。
* 民王R: 2024年10月クールに放送された続編。

まとめ

『民王』は、その斬新な設定と社会風刺、そして個性豊かなキャラクターたちが織りなす人間ドラマで、多くの視聴者を魅了しました。政治コメディーとしてだけでなく、家族や人間関係について考えさせられる作品としても評価されています。続編やスピンオフ作品が制作されるなど、今なおその人気は衰えていません。

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