民間事業者による信書の送達に関する法律

民間事業者による信書の送達に関する法律

「民間事業者による信書の送達に関する法律」（略称：信書便法）は、平成14年（2002年）に法律第99号として制定されました。この法律は、これまで国（日本郵政グループ）が行ってきた信書の送達事業に、民間事業者が参入するための許可制度を設け、その事業が適正に行われるよう必要な措置を講じることを目的としています。

本法は、既存の郵便法と相互に補完し合うことで、国民があまねく公平に信書を送達できるサービスを受けられる環境を維持しつつ、民間事業者の参入による競争促進を通じて、利用者の選択肢を広げ、多様なニーズに応えられるようにすることを目指しています。これにより、社会全体の公共の福祉の増進に寄与することをその理念としています。

法律の所管は、総務省情報流通行政局郵政行政部信書便事業課が担当しています。

法律の構成

信書便法は、以下の主要な章立てで構成されています（2024年4月1日現在）。

第1章 総則: 法律の目的、定義、基本原則などが定められています。
第2章 一般信書便事業: 比較的定型の信書を広く一般に送達する事業に関する規定です。事業の許可要件、申請手続き、事業者の業務規程、役務の提供義務などが詳細に定められています。
第1節 事業の許可
第2節 業務
第3節 監督
第3章 特定信書便事業: 一般信書便に比べて、特定の条件を満たす信書（サイズ、料金など）の送達を行う事業に関する規定です。特別な許可基準や業務の範囲が定められています。
第4章 雑則: 上記の章に含まれないその他の事項、例えば事業の承継や報告徴収権などが規定されています。
第5章 罰則: 法律の規定に違反した場合の罰則が定められています。
附則: 法の施行に関する経過措置などが含まれます。

沿革と主な改正

2002年（平成14年）: 法律が制定され、民間事業者による信書便事業が開始されました。制定当初、一般信書便の送達期間は原則として3日以内とされていました。特定信書便事業に関しては、第1号（サイズ）は長さ、幅、厚さの合計が90cmを超えるもの、第3号（料金）は1,000円以下の総務省令で定める額を超えるものなどが規定されていました。
2016年（平成28年）: 平成27年法律第38号による改正が施行されました。この改正により、特定信書便事業の規格が見直され、第1号のサイズは長さ、幅、厚さの合計が73cmを超えるものに、第3号の料金は800円以下の総務省令で定める額を超えるものに変更されました。
2021年（令和3年）: 令和2年法律第70号による改正が施行され、一般信書便の送達期間に関する規定が見直されました。これにより、一般信書便の送達は原則として4日以内となりました。

信書便法は、信書という重要な通信手段のインフラに関わる法律として、時代の変化や社会のニーズに応じて改正が行われ、郵便法と共に我が国の信書送達システムを支えています。

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