民集

民集（みんしゅう）について

民集とは、特定の判例集を指し、主に以下の2つの資料を示す用語です。具体的には、大審院民事判例集や最高裁判所民事判例集を含んでいます。これにより、法曹界において影響力のある基準資料となっています。

大審院民事判例集

民集という言葉が大審院民事判例集を指す場合、判例を特定する際には巻数と頁数が用いられます。たとえば、「大審院昭和7年8月29日判決民集11巻2385頁」という引用が一般的です。このように、具体的な情報を参照することで、必要な判例情報にスムーズにアクセス可能となります。

元々、大審院は最高裁判所の前身として誕生し、民事案件に対する重要な判決を数多く行いました。これらの判決がまとめられた民集は、法律に関心を持つ人々にとって、知識を深める貴重な資源です。

最高裁判所民事判例集

一方で、最高裁判所民事判例集は、『最高裁判所判例集』の中の「民事編」を指します。この民集は原則として月に1回刊行され、最高裁判所判例委員会によって編纂されます。内容は、事件名や訴訟当事者、判示要旨、判決本文など多岐にわたります。重要度が低いとされる事件は、『最高裁判所裁判集民事』（通称「集民」）に掲載されますが、この集民は公にされることがないため、注意が必要です。

判例解説

民集に登載された事件については、通常まず『ジュリスト』の「時の判例」欄において、事件を担当した最高裁判所調査官が解説を行います。その後、より詳細な解説が『法曹時報』の「最高裁判所判例解説」欄に掲載されるという流れが一般的です。この解説は、個々の事件についての調査官の意見を基にしており、最高裁の公式見解ではないものの、研究や実務において貴重な情報源となります。

加えて、判決が出た一定の期間後には、調査官の解説がまとめて『最高裁判所判例解説・民事編』として公刊されます。この出版物により、研究者や実務家は、従来の判例に関する深い理解を深める手助けを得ることができます。

各種メディアでの活用

法曹会が発行した数々の最高裁判所判例解説は、特に重要です。2003年にはDVD版が発表され、昭和29年度から平成11年度までの内容が収められています。さらに、その後のテクノロジーの進化に伴い、ウエストロー・ジャパン株式会社によるオンライン版も提供され、多くの法律実務者に利用されています。

関連項目

また、関連する項目として、「大審院民事判決録（民録）」も挙げられます。これは、大審院民事判例集が発行される以前に存在した公式判例集であり、1921年まで発行されていました。また、刑事判例集として「刑集」が存在し、これは民事判例を扱う民集とは異なります。これらの資料は、国の法体系や判例の発展を知る上でも重要です。

これらの判例集及び解説は、日本の法律実務や研究において欠かせない存在であり、法曹界での基準となるものです。

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