気象キャスターネットワーク

特定非営利活動法人気象キャスターネットワーク

「特定非営利活動法人気象キャスターネットワーク」（略称：気象キャスターネットワーク）は、日本の特定非営利活動法人（NPO法人）として公的な認可を受け活動する団体であり、その名の通り、気象予報士の専門家が集まって組織されています。

気象予報士による団体はいくつか存在しますが、一般社団法人日本気象予報士会が多岐にわたる分野で活動する予報士を対象としているのに対し、気象キャスターネットワークは特にテレビなどの放送メディアで活躍する気象予報士を主な構成員としている点に大きな特徴があります。

活動理念と内容

本ネットワークは、公に示されている活動方針として、以下の三つを重要な柱として掲げています。

環境・気象に関する教育の推進: 地球温暖化や異常気象など、環境・気象に関する現代社会の課題について、科学的根拠に基づいた正確な知識を分かりやすく伝え、人々の理解を深めるための教育活動を行っています。
防災知識の普及・啓発: 災害をもたらす気象現象に関する知識や、それに対する適切な備え、避難行動などの防災情報を広く社会に周知し、被害の軽減に貢献するための啓発活動を展開しています。
* 気象キャスターの育成・支援: 将来メディアで活躍する気象キャスターを目指す人々の育成や、現役キャスターが専門性をさらに高めるための研修機会の提供、情報交換の場の設定などを通じて、専門家としての資質向上と活躍を支援しています。

これらの活動を通じて、気象に関する情報を正しく、迅速に伝えることの重要性を啓蒙し、社会全体の気象リテラシーと防災意識の向上に寄与することを目指しています。

設立経緯と組織体制

本ネットワークは、NHKで長年にわたり気象キャスターを務める平井信行氏の発案により、2004年に産声を上げました。設立当時、気象予報士の主要な団体であった一般社団法人日本気象予報士会がまだ任意の組織であった背景もあり、放送業界で活躍する気象予報士たちが、より組織的な活動を目指して次々とこの新しいネットワークに参加しました。

参加メンバーは日本全国に広がり、所属する企業やテレビ局などの出演放送局といった従来の垣根を越えて、メディアでおなじみの多くの気象キャスターが名を連ねています。このように多様なバックグラウンドを持つ専門家が集まることで、幅広い視点からの活動や情報発信が可能となっています。また、気象と防災は密接に関わる分野であるため、メンバーの中には防災士の資格も取得している者が少なくありません。これらのメンバーは、学校や地域などでの防災教育の現場において、気象の専門知識を活かした実践的な啓発活動を積極的に担っています。

団体の運営を担う代表者や理事長についても、組織体制の変遷が見られます。設立当初の代表は発起人である平井信行氏が務め、3期6年の任期を全うしました。その後、2010年からは藤森涼氏が第二代代表として就任し、5期にわたる合計10年間、団体の牽引役を務めました。2020年1月からは組織体制が変更され、従来の代表制が廃止され、理事長が実質的な団体の代表権を持つこととなりました。制度変更後、2020年には南利幸氏が理事長に就任し、運営を担いました。そして、2022年現在においては、井田寛子氏が理事長を務め、団体の活動を統括しています。

団体の詳細な情報や最新の活動内容については、公式ウェブサイトで広く一般に公開されています。

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