気象衛星センター

気象衛星センターについて

気象衛星センターは日本の気象庁に属し、主に気象衛星からの観測データを受信する役割を担う施設です。これは、気象情報の収集と分析を行うための重要な機関であり、さらに気象衛星の運用管理も行っています。

概要

気象衛星センターは、国際的な気象観測情報のやり取りを目的とした気象通信所から発展しました。1968年にアメリカのNOAA（国立海洋大気庁）が打ち上げた極軌道気象衛星「ESSA-6号」からのデータ受信を開始し、1977年に気象衛星センターへと改組されました。このセンターでは、静止軌道と極軌道を周回する気象衛星からのデータ収集とその管理を行っています。

センター内には、情報通信基盤課が設けられ、スーパーコンピュータシステム「数値解析予報システム」が稼働しています。このシステムは、集めたデータを処理して、高精度の天気予報を行うために使用されます。

沿革

気象衛星センターの歴史は1950年にさかのぼります。当初は埼玉県大和田町に位置していた気象通信所が、1959年に数値解析予報システムを導入。その後、1968年にはESSA-6号からのデータ受信を開始しました。1977年には気象通信所が廃止され、その機能を引き継ぐ形で気象衛星センターが設立されました。

続く年月の中で、センターは静止気象衛星「ひまわり」の運用も行うようになり、様々な国際的な気象データ提供サービスを展開しました。2010年には、ひまわり衛星の運用事業が民間企業に委託され、近年では情報伝送部門も廃止されるなど、組織のあり方も変化していきました。

スーパーコンピュータシステム

気象衛星センターが運用するスーパーコンピュータシステム「数値解析予報システム」（NAPS）は、最新のCray XC50を用いています。このシステムは非常に高い演算能力を有しており、日立製作所によって構築されました。2018年から運用が始まり、この新しいシステムは従来のものに比べ計算能力が格段に向上しており、より長期の高精度な天気予報を実現しています。

アクセスと見学

気象衛星センターは東京都清瀬市に位置しており、西武池袋線の清瀬駅から徒歩約20分の距離にあります。一般の方も視察が可能であり、事前予約を行うことで特別公開日程中の見学も可能です。

附属施設

以前は気象衛星通信所も存在しましたが、現在は廃止されています。この通信所の役割は、気象衛星ひまわりのデータを受信し、センターに提供することでした。このように、気象衛星センターは日本の気象観測に欠かせない重要な役割を果たしています。

気象衛星センターは、今後も日本の気象予報や観測の精度向上に向けて、さらなる技術革新に取り組んでいくことでしょう。

もう一度検索