水城学園

水城学園の歴史と特色

水城学園（みずきがくえん）は、福岡県福岡市中央区に存在した私立の大学受験予備校で、1997年度に閉校を迎えました。設立者は学校法人篠崎学園であり、その校舎は福岡市中央区長浜一丁目3番1号に位置していました。水城学園の沿革は1945年に遡り、最初は福岡市大名町に「水城塾」として開校され、その後数回の移転を経て、最終的に1976年に長浜へと移転しました。校名も「水城学院」から「水城学園」へと改称されました。

1979年には学校法人としての認可を受け、その後、複数の学生寮を整備しました。特に、井尻学生寮は九州大学以上の難関大学を目指す選ばれた浪人生のみが入寮可能であり、「井尻特別選抜寮生」として特別に扱われていたことが注目されます。水城学園は、「九大西福を目指すなら水城が一番」と称されるほど、九州大学や西南学院大学、福岡大学への合格率が高く、浪人生の間で強い信頼を得ていました。

カリキュラムと文化

水城学園のカリキュラムは独特で、完全週休二日制を採用する他校と異なり、「木曜休講、土休日開講」という形で運営されていました。この点については一部で不評を買ったものの、代わりにファッショナブルな生徒が多かったことから、一時は「水城ファッションショー」とも称されたことがありました。また、浪人生向けに年1回発行される文集「風がある」は特に有名で、編集委員に選ばれた浪人生は第一志望の大学に不合格という言い伝えがありました。

生徒数の変動

団塊ジュニア世代の大量入学によって生徒数が確保されていた水城学園ですが、将来の少子化を見据えた対応策として、東進ハイスクールとの連携による衛星授業の導入など、新しい試みに取り組む姿勢がありました。しかし、1994年にはライバルである駿台予備校が天神万町通りに進出した影響もあり、生徒数は急激に減少していきました。水城学園は主に学力の高い浪人生が在籍していたため、駿台の進出が直接的な打撃となったと考えられています。

閉校とその後

1997年度をもって水城学園は閉校し、以後その校舎は福岡県柳川市の「学校法人高木学園」によって福祉専門学校として利用されました。その後、2009年からは国際医療福祉大学が福岡看護学部の校舎として使用しましたが、この大学も2013年に移転したため、校舎は最終的に2014年に解体されました。

著名な出身者と講師陣

水城学園の卒業生には、女優の黒木瞳をはじめ、RKB毎日放送のアナウンサー茅野正昌やコンサルタントの三重野研一などがいます。また、数々の名講師が在籍しており、良質な教育を提供していたことが特徴です。1970年代後半には、東京から訪れた講師陣が多く、こうした講師が水城学園の教育水準を高めていました。

水城学園はその独特な文化と高い合格実績で、多くの浪人生に影響を与えた重要な存在でしたが、時代の変化には逆らえず、その歴史に終止符を打つこととなりました。

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