水尾順一

水尾 順一 (みずお じゅんいち)

水尾順一（1947年8月12日生まれ）は、日本の経営学者であり、駿河台大学名誉教授として知られています。彼の専門分野には、企業の社会的責任（CSR）、経営倫理、コーポレート・ガバナンス、そしてブランド論が含まれています。彼は、これらの領域における理論と実践の統合を図り、広範な影響を及ぼしています。

略歴

香川県善通寺市に生まれた水尾は、1970年に神戸商科大学（現・兵庫県立大学）商経学部を卒業し、その年の4月に資生堂に入社しました。在職中は、企業デザイン部門や経営企画、ビューティーサイエンス研究所の課長、企業倫理委員会の責任者など、多くの要職を歴任しました。1999年には資生堂を退職し、翌年に駿河台大学経済学部助教授に就任。そして、2000年には教授に昇格し、以降様々な役職を兼任しました。

彼はまた、他の大学や研究機関においても非常勤講師や客員研究員として活動し、経営倫理に関する研究を進めてきました。特に、マーケティングと経営倫理を結びつけた「マーケティング倫理」の形成に寄与しました。

企業との関わり

水尾は、様々な企業の倫理委員や取締役を務めており、特に西武鉄道株式会社（現在は株式会社西武ホールディングス）の企業倫理委員会の外部委員を長年勤めています。また、一般社団法人日本コンプライアンス＆ガバナンス研究所の代表理事を務め、日本のコンプライアンスやガバナンスの強化に尽力しています。これらの経験を通じて、企業へのアドバイザリー活動や倫理的経営の推進に寄与しています。

人物像

水尾は、資生堂でのキャリアを通じて、ブランド研究だけでなく環境問題や社員の働き方支援、社会貢献活動にも取り組み、CSRの重要性を実感しています。また、企業倫理の初期構築に携わったことから、現在の日本企業における倫理施策の先駆けとされています。これまでの経験を基に、理論と実践を融合させた教育・指導を行い、広く認知されています。

研究と活動

執筆業では、多数の単著や共著を持ち、マーケティング倫理、CSRマネジメント、企業文化などに関するテーマを扱っています。特に『CSRで経営力を高める』や『マーケティング倫理が企業を救う』など、実務に即した内容が評価されています。

さらに、経済産業省の「グローバル企業と経済協力に関する研究会」座長や各種研究会の委員を務めるなど、広範な社会貢献活動をしています。彼の探求は、企業が持続可能な成長を遂げるための新たな道を模索する上で重要です。

資格と賞

中小企業診断士やマネジメントコンサルタントの資格を持ち、名誉ある賞を幾つか受賞しています。特に、経営倫理やCSRの分野での彼の貢献が評価され、日本経営倫理学会学会賞などを受賞しています。

水尾順一は、その専門知識を活かし、企業の健全な運営に寄与することを目指し、今もなお活動を続けています。

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