水平線

水平線とは

水平線（すいへいせん、英語: horizon）とは、海や湖などの水面と空の交わる境界線を指します。視点が水平に広がるこの線は、観察者の位置や高さによってその距離が異なります。また、作図などの分野においても、水平面に平行な線を指して「水平線」と呼ばれることがあります。

水平線の形成

地球は球体であるため、ある距離を超えるとその表面は見えなくなります。つまり、観測者が水面と空を見渡したとき、遠くにある球面の端が見えない部分が生じ、その位置が水平線と認識されます。この距離は観察者の高さによって変わるため、特に海岸や高層ビルからの視点で与えられる景観に影響を与えます。

たとえば、目の高さが約1.5mの成人の場合、水面からの水平線までの距離は約4.4kmです。しかし、観察者の位置が高い場合、その距離はさらに伸びます。例えば、高層ホテルの上から見た場合、水平線までの距離は約16kmに達することもあります。

高度と水平線の距離

1960年代には、アメリカ空軍が大型ジェット機からの視界を調査しました。この調査では、高度約9,150mから約395kmの距離で水平線を見ることができたとされていますが、理論的な限界は341km程度となっているため、395kmという数値は高度12,300mからの測定結果と考えられています。

距離の計算式

観測者が水面から水平線までの距離を求める式は以下の通りです。

$$
x = ext{√(2Rh + h²)}
$$

ここで、xは水平線までの距離、hは観測者の海面からの目の高さ、Rは地球の半径です。Rをhよりも十分に大きいと見なすと、以下のように近似式で表すことも可能です。

$$
x ≈ 3570√h
$$

ここで、xの単位はメートルです。例えば、海面からの高さが20mの建物にいる目の高さ1.6mの観測者の場合、目の位置は海抜21.6mとし、水平線までの距離を計算すると:

$$
x ≈ 3570√21.6 ≈ 16591m
$$

この結果、約16.6kmの距離に水平線があることが示されます。逆に、同じ観測者が水面に立った状態では、水平線までの距離が約4.5kmと計算され、意外にもこの距離が近いことがわかります。

関連項目

• - 水平
• - 地平線
• - 海・空・地
• - 平面
• - 事象の地平面
• - 透視投影（水平線に関する項目）

このように、水平線は単なる視覚的な境界線ではなく、観測者の位置や高さに密接に関連する自然現象であることが理解できるでしょう。

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