水戸ライトハウス

水戸ライトハウスは、茨城県水戸市南町に位置するライブハウスです。音楽を愛する人々にとって、この場所は特別な意味を持っています。

概要

水戸ライトハウスは、ライブハウスとしての機能だけでなく、スタジオとしての機能も併せ持っています。ライブハウス部分は収容人数350人の小規模な会場ですが、天井が高く、照明や演出の自由度が高いのが特徴です。二階席も設けられており、動員が多い場合や、来場者の要望に応じて開放されます。一方、スタジオ部分はライブハウスの3階にあり、音楽スタジオとして一般に貸し出されています。

現在の店長は2代目で、創業当初からバンドマンとしてライトハウスに通っていました。店長自らがブッキングを担当しており、音楽家としての才能だけでなく、人と人との繋がりを大切にしています。このようなアットホームな雰囲気も、ライトハウスの魅力の一つです。

ライトハウスからは、THE BACK HORNやgoomieyなど、多くの著名なアーティストが巣立っています。特にTHE BACK HORNの山田将司さんと店長は親交が深く、ラジオ番組のパーソナリティとしても活躍しています。地元バンドの育成に大きく貢献していると言えるでしょう。

水戸ライトハウス

ライブスペースは、いわゆる「小箱」と呼ばれる規模ですが、そのポテンシャルは非常に高いです。天井が高いことで、照明や舞台演出に制限が少なく、多彩なライブパフォーマンスに対応できます。二階席はスタンディングで50人ほど収容可能で、必要に応じて開放されます。

スタジオライトハウス

スタジオは、ライブスペースの脇にある階段を上がった3階にあります。一般的な音楽スタジオとして貸し出されており、個人練習からバンド練習まで、幅広い用途で利用されています。また、ライブ開催時にはクロークの受付場所としても機能します。

歴史

1989年11月、水戸市の酒屋の地下スペースを改装して、ライトハウスは誕生しました。当時、水戸はメジャーバンドがライブツアーで訪れるような街ではなかったため、地元の学生バンドがライブをする場として重宝されました。創業者は元ロックギタリストで、「茨城県発のバンドが北関東レベルの大会で上位入賞できない」という状況を憂い、練習や演奏の場を提供したいという思いから開業に至りました。

ライトハウスは、練習スペースを併設した茨城県唯一のライブハウスとして、多くのバンドに受け入れられました。年間800組ものバンドがライブを行い、「水戸市内で最も若者が集まる場所」と呼ばれるほどになりました。1996年には、都市計画の影響で移転を余儀なくされましたが、1998年に現在の場所に移転し、2代目店長となる人物が経営に携わるようになりました。

東京の音楽関係者が新人発掘のために訪れるようになり、多くのバンドが巣立っていきました。その一方で、夢破れて水戸に戻ってくる若者も少なくありませんでした。ライトハウスは、夢を追いかける若者を支援するため、1999年に自主レーベル「ライトハウス」を立ち上げ、CDの制作を始めました。

2004年からは、入場無料のライブイベント「水戸ライトハウス感謝祭」をほぼ毎年開催しています。これは、ライブハウスに馴染みのない人たちにも音楽の楽しさを知ってもらおうという試みです。

2011年3月の東日本大震災では、1〜2週間営業を停止せざるを得ず、その後もキャンセルが相次ぎ、経営危機に陥りました。そんな中、BRAHMANが「幡ヶ谷再生大学 茨城キャンパス」というライブイベントを開催し、復興への道を切り開いてくれました。

2019年には開業30周年を迎え、千葉LOOKと合同で「カントーロード〜30周年SPECIAL〜」という対バンイベントを開催しました。これは、共に30周年を迎えたライブハウス同士が手を取り合い、シーンを盛り上げようという試みです。

水戸ライトハウスは、音楽を愛する人々にとってかけがえのない場所です。これからも多くの若者たちが夢を叶える場所として、その歴史を刻んでいくことでしょう。

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