水曜の朝、午前3時
サイモン＆ガーファンクルの記念すべきデビューアルバムである『水曜の朝、午前3時』（Wednesday Morning, 3 A.M.）は、彼らが後の世界的成功を収める出発点となった作品です。
このアルバムの制作は、1963年にコロムビア・レコードのプロデューサーであったトム・ウィルソンが、彼らの初期の楽曲「私の兄弟」を耳にしたことから始まりました。その才能に注目したウィルソンの働きかけにより、サイモン＆ガーファンクルは1964年2月10日にコロムビアとの正式契約を結びます。彼らはかつて「トム＆ジェリー」名義で一度レコードデビューを果たしており、本作はサイモン＆ガーファンクルとして改めて世に登場する「再デビュー」盤となりました。
レコーディングは1964年3月10日、ニューヨークにあるコロムビア・スタジオで開始されました。プロデューサーのトム・ウィルソンは、セッションに入る前にポール・サイモンとアート・ガーファンクルに対し、アルバムの構成としてサイモンのオリジナル曲6曲とカバー曲6曲を収録する意向を伝えました。カバー曲に関してウィルソンが出した唯一の具体的な条件は、彼自身がプロデュースを手がけたボブ・ディランの楽曲「時代は変る」を必ず取り上げることでした。レコーディングには、二人のアコースティックギターとボーカルに加え、バリー・コーンフィールドが12弦アコースティックギター、ビル・リーがベースで参加し、エンジニアはロイ・ハリーが担当しました。
なお、収録曲の一つである「私の兄弟」の作詞・作曲者としてクレジットされているポール・ケインという名前は、当時まだ無名だったポール・サイモンが使用していた偽名でした。
しかし、発売当初、この作品は大きな注目を集めることはなく、全米チャートにランクインすることすらありませんでした。フォークロックというジャンルが確立される以前の、純粋なアコースティックフォークサウンドは、当時のリスナーに広く受け入れられなかったのです。
状況が一変したのは、アルバム収録曲であった「サウンド・オブ・サイレンス」が、エレクトリック・ギターやドラムなどがオーバーダブされ、シングルとしてリリースされ、予想外の大ヒットを記録してからです。このシングルの成功を受け、既に発表されていたアルバム『水曜の朝、午前3時』が再び脚光を浴びることになります。アルバムは再評価され、発売から2年後の1966年にはついに全米アルバムチャートで最高位30位を記録しました。また、イギリスではさらに遅れて、発売から4年経った1968年に初めて全英アルバムチャートに登場し、同年には最高位24位に達するなど、タイムラグを経て世界中でその価値が認められていきました。
本作に収録されている楽曲は以下の通りです。
Side 1
ユー・キャン・テル・ザ・ワールド - "You Can Tell the World" (Bob Gibson/Bob Camp) - 2:47
きのう見た夢（平和の誓い） - "Last Night I Had the Strangest Dream" (Ed McCurdy) - 2:11
霧のブリーカー街 - "Bleecker Street" (Paul Simon) - 2:44
すずめ - "Sparrow" (Paul Simon) - 2:49
ベネディクタス - "Benedictus" (traditional , arranged and adapted by Simon and Garfunkel) - 2:38
サウンド・オブ・サイレンス - "The Sounds of Silence" (Paul Simon) - 3:08
Side 2
私の兄弟 - "He Was My Brother" (Paul Kane) - 2:48
ペギー・オウ - "Peggy-O" (traditional) - 2:26
山の上で告げよ - "Go Tell It on the Mountain" (traditional) - 2:06
太陽は燃えている - "The Sun Is Burning" (Ian Campbell) - 2:49
時代は変わる - "The Times They Are a-Changin'" (Bob Dylan) - 2:52
水曜の朝、午前3時 - "Wednesday Morning, 3 AM" (Paul Simon) - 2:13
(脚注：原曲：Missa ad imitationem moduli Iager/Orland di Lasso「狩人のミサ/ラッソ」作品番号LV622)
2001年にリリースされたリマスター版には、以下のボーナストラックが追加収録されています。
霧のブリーカー街（デモ） - "Bleecker Street" - Demo (Paul Simon) - 2:46
私の兄弟（別テイク1）- "He Was My Brother" - Alternate Take 1 (Paul Kane) - 2:52
* 太陽は燃えている（別テイク12） - "The Sun Is Burning" - Alternate Take 12 (Ian Campbell) - 2:47
このアルバムの制作は、1963年にコロムビア・レコードのプロデューサーであったトム・ウィルソンが、彼らの初期の楽曲「私の兄弟」を耳にしたことから始まりました。その才能に注目したウィルソンの働きかけにより、サイモン＆ガーファンクルは1964年2月10日にコロムビアとの正式契約を結びます。彼らはかつて「トム＆ジェリー」名義で一度レコードデビューを果たしており、本作はサイモン＆ガーファンクルとして改めて世に登場する「再デビュー」盤となりました。
レコーディングは1964年3月10日、ニューヨークにあるコロムビア・スタジオで開始されました。プロデューサーのトム・ウィルソンは、セッションに入る前にポール・サイモンとアート・ガーファンクルに対し、アルバムの構成としてサイモンのオリジナル曲6曲とカバー曲6曲を収録する意向を伝えました。カバー曲に関してウィルソンが出した唯一の具体的な条件は、彼自身がプロデュースを手がけたボブ・ディランの楽曲「時代は変る」を必ず取り上げることでした。レコーディングには、二人のアコースティックギターとボーカルに加え、バリー・コーンフィールドが12弦アコースティックギター、ビル・リーがベースで参加し、エンジニアはロイ・ハリーが担当しました。
なお、収録曲の一つである「私の兄弟」の作詞・作曲者としてクレジットされているポール・ケインという名前は、当時まだ無名だったポール・サイモンが使用していた偽名でした。
しかし、発売当初、この作品は大きな注目を集めることはなく、全米チャートにランクインすることすらありませんでした。フォークロックというジャンルが確立される以前の、純粋なアコースティックフォークサウンドは、当時のリスナーに広く受け入れられなかったのです。
状況が一変したのは、アルバム収録曲であった「サウンド・オブ・サイレンス」が、エレクトリック・ギターやドラムなどがオーバーダブされ、シングルとしてリリースされ、予想外の大ヒットを記録してからです。このシングルの成功を受け、既に発表されていたアルバム『水曜の朝、午前3時』が再び脚光を浴びることになります。アルバムは再評価され、発売から2年後の1966年にはついに全米アルバムチャートで最高位30位を記録しました。また、イギリスではさらに遅れて、発売から4年経った1968年に初めて全英アルバムチャートに登場し、同年には最高位24位に達するなど、タイムラグを経て世界中でその価値が認められていきました。
本作に収録されている楽曲は以下の通りです。
Side 1
ユー・キャン・テル・ザ・ワールド - "You Can Tell the World" (Bob Gibson/Bob Camp) - 2:47
きのう見た夢（平和の誓い） - "Last Night I Had the Strangest Dream" (Ed McCurdy) - 2:11
霧のブリーカー街 - "Bleecker Street" (Paul Simon) - 2:44
すずめ - "Sparrow" (Paul Simon) - 2:49
ベネディクタス - "Benedictus" (traditional , arranged and adapted by Simon and Garfunkel) - 2:38
サウンド・オブ・サイレンス - "The Sounds of Silence" (Paul Simon) - 3:08
Side 2
私の兄弟 - "He Was My Brother" (Paul Kane) - 2:48
ペギー・オウ - "Peggy-O" (traditional) - 2:26
山の上で告げよ - "Go Tell It on the Mountain" (traditional) - 2:06
太陽は燃えている - "The Sun Is Burning" (Ian Campbell) - 2:49
時代は変わる - "The Times They Are a-Changin'" (Bob Dylan) - 2:52
水曜の朝、午前3時 - "Wednesday Morning, 3 AM" (Paul Simon) - 2:13
(脚注：原曲：Missa ad imitationem moduli Iager/Orland di Lasso「狩人のミサ/ラッソ」作品番号LV622)
2001年にリリースされたリマスター版には、以下のボーナストラックが追加収録されています。
霧のブリーカー街（デモ） - "Bleecker Street" - Demo (Paul Simon) - 2:46
私の兄弟（別テイク1）- "He Was My Brother" - Alternate Take 1 (Paul Kane) - 2:52
* 太陽は燃えている（別テイク12） - "The Sun Is Burning" - Alternate Take 12 (Ian Campbell) - 2:47
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