水色の恋

水色の恋

「水色の恋」（みずいろのこい）は、1971年10月1日に世に送り出された天地真理のデビューシングルです。「白雪姫」という愛らしいキャッチフレーズと共に登場した彼女にとって、歌手としての輝かしいキャリアの第一歩となった楽曲です。

このシングルは、商業的にも大きな成功を収めました。累計でおよそ80万枚を売り上げたとされており、当時のオリコンチャートにおいても顕著な記録を残しています。1971年11月22日付けのチャートで9位に初登場すると、その後じわじわと順位を上げ、週間最高では3位に到達しました。オリコンの週間10位以内には12週連続でランクインし、さらに100位以内には27週にわたってチャートインするなど、息の長いロングヒットとなりました。オリコンによる集計では43.2万枚のセールスが記録されています。翌年、1972年の年間オリコンチャートでは29位に位置付けられました。特筆すべきは、この「水色の恋」を皮切りに、天地真理は続く11枚目のシングルまで、11作連続でオリコン週間チャートのトップ10入りを果たしたという点です。

シングルの収録曲は、A面に「水色の恋」、B面に「風を見た人」が収められています。両楽曲ともに、森岡賢一郎氏が編曲を手掛けました。

水色の恋 （3分4秒）
作詞：田上えり、PESCE CARLOS／作曲：田上みどり、LATASA FELICIANO
この曲は、TBS系列で放送された人気テレビドラマ『時間ですよ』や、同じくTBS系列のテレビアニメ『ふしぎなメルモ』の挿入歌としても起用され、多くの視聴者に親しまれました。

風を見た人 （2分56秒）
作詞：安井かずみ／作曲：村井邦彦

「水色の恋」に関するユニークな点は、その楽曲の著作権表記の変遷にあります。この楽曲は、後のヤマハポピュラーソングコンテストの第1回として位置づけられる「'69作曲コンクール」のエントリー曲の一つとして発表されました。発表当初は日本の作曲家によるオリジナル作品とされていましたが、後にアルゼンチン・タンゴの名曲「ビクトリア・ホテル」との間で旋律の一部に類似性が指摘されることとなりました。この指摘を受け、後年になって「ビクトリア・ホテル」が「水色の恋」の原曲として扱われるに至ります。この経緯から、著作権に関するクレジット表記は時期によって異なっています。

1971年頃から2000年頃まで：作詞：田上えり／作曲：田上みどり／補作曲・編曲：森岡賢一郎
2000年頃から現在まで：作詞：田上えり・PESCE CARLOS／作曲：田上みどり・LATASA FELICIANO／編曲：森岡賢一郎

興味深いことに、通信カラオケの一部では、2018年時点でもなお旧表記である「作詞：田上えり／作曲：田上みどり／補作曲：森岡賢一郎」とクレジットされているケースが見られます。日本音楽著作権協会（JASRAC）における登録では、この楽曲は「外国作品」として扱われており、JASRAC作品コードは「1E4-0226-6」です。出典はPJ（サブ出版者作品届）とされています。2018年時点の情報によれば、この楽曲の著作隣接権は、EDITORIAL PERROTTI S R L、ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス、そして日本アメリカーナ音楽出版株式会社（サブ出版）といった複数の権利者が保有しています。

「水色の恋」は、天地真理の代表曲の一つとして、複数のアルバムに収録されています。

『GOLDEN☆BEST 天地真理 コンプリート・シングル・コレクション・アンド・モア』
『天地真理 プレミアム・ボックス』
『35th Anniversary』（2006年に制作されたヴォーカル・ニューバージョンが収録）

この楽曲は、1970年代初頭の日本の音楽シーンにおいて重要な位置を占める一曲であり、天地真理の記念碑的なデビューシングルとして、今なお多くの人々に記憶されています。

関連項目

1971年の音楽
* 1972年の音楽

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