水虫の唄

水虫の唄（みずむしのうた）

概要

「水虫の唄」は、日本のフォーク音楽シーンにおいて重要な位置を占める楽曲であり、ザ・フォーク・クルセダーズによって1968年7月に発売されました。この曲は、彼らのアルバム『紀元貮阡年』の前にリリースされたシングルとして知られています。興味深いことに、ザ・フォーク・クルセダーズはこの曲を「ザ・ズートルビー」という名称で発表しました。この別名義は、フォークの遊び心とユーモアを取り入れたものであり、曲の内容とも相まって人々の関心を引きました。

1969年には、「カメ&アンコー」というデュエットがこの曲をカバーし、ニッポン放送の人気番組で披露しました。彼らのカバーは、CBS・ソニーレコードから発売され、累計で21万枚を超える売り上げを記録しました。カメ&アンコー版では、追加されたセリフやアレンジによって、オリジナルとは異なる魅力が生まれました。

楽曲の特徴

「水虫の唄」は、当時の流行していた甘いラブソングに対抗する形で制作されました。水虫という少々おどろおどろしいテーマを用い、クラシック音楽のフレーズを取り入れることで、パロディ的な側面を強めています。特に、前奏にはベートーヴェンの交響曲第6番『田園』の冒頭部分が使用され、サビ部分ではメンデルスゾーンの「春の歌」のメロディが使われています。これにより、楽曲は単なるフォークソングに留まらず、ユーモアに満ちた反抗的なメッセージを発信するプロテストソングとなっています。

原点と進化

この曲は、元々1960年代のフォークソングコンサートで演奏されていたものです。特に、神戸のポート・ジュビリーで活躍した甲南大学のフォークバンド、The Spirits Of Fallsによってオリジナルが演奏されるなど、そのルーツは複層的です。彼らは、当時のラジオ局で流された際に大変な人気を博し、その後京都のフォークルによってレコード化されました。このレコードは昭和43年度にヒット賞を受賞し、曲の評価を確立しました。

ザ・ズートルビーの存在

「水虫の唄」は、ザ・フォーク・クルセダーズがザ・ズートルビーという名義で発表した唯一の作品の一つです。このグループは「種子ヶ島出身のビートルズのコピーバンド」という設定で活動しており、そのスタイルは当時の音楽シーンに独特の風を吹き込みました。ザ・ズートルビー名義での発表は「水虫の唄」と「レディジェーンの伝説」の二曲のみで、曲調や歌詞においても一貫したユーモアのセンスが表れています。

収録曲

「水虫の唄」は、ザ・ズートルビー版、そしてカメ&アンコー版の2つの顔を持っています。ザ・ズートルビー版の収録曲は下記の通りです。

• - 水虫の唄（作詞・作曲：山田進一）
• - レディジェーンの伝説（作詞：足柄金太、作曲：河田藤作）

カメ&アンコー版には、オリジナルにはない台詞も追加されており、よりエンターテイメント性を高めています。このように、「水虫の唄」はシンプルな楽曲の枠を超えて、日本のフォークソングの歴史に名を刻む重要な作品となっています。

まとめ

「水虫の唄」は、ユーモアとメッセージ性が融合した作品であり、多くのアーティストに影響を与えました。フォーク音楽の元々の枠を超えたその内容は、今なお多くの人々に愛され、聴かれています。

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