水谷八重子 (2代目)

水谷 八重子（みずたに やえこ）

水谷八重子は、日本を代表する女優、歌手、演出家、エッセイストである。1939年4月16日に東京府青山に生まれ、本名は松野好重である。彼女の家族には歌舞伎界に連なる血筋があり、母は初代水谷八重子、父は十四代目守田勘彌である。これにより、彼女は新派と歌舞伎の伝統を受け継ぐ芸術家として早くから注目を浴びた。1975年7月時点での身長は170cm。

1955年8月5日、彼女は水谷良重の名で歌舞伎座の新派公演に初出演し、同日にジャズ歌手としてもデビューを果たした。その後すぐ、彼女は新派の女優として急成長し、テレビや映画と多岐にわたって活動を展開。1956年には「七光会」を結成し、さまざまなメディアに登場し続ける。

彼女の私生活でも多くの話題を集めており、1959年にはジャズドラム奏者の白木秀雄と結婚。二人の離婚会見では「愛しているから別れます」という印象的な言葉を残し、流行語ともなった。再起を図り、1960年に出演した映画『妖刀物語 花の吉原百人斬り』でNHK映画賞最優秀助演女優賞を受賞し、彼女の演技力が高く評価されるに至った。また、テレビドラマやミュージカルにも多く出演し、主に新派においても多くの貢献を果たしている。

1979年には、自身の演出活動を開始し、以後は特に泉鏡花の作品での演出に注力するようになる。彼女の母が亡くなった後も新派で重要な役割を担い続けており、1995年には2代目水谷八重子を襲名し、以後は新派の顔としての地位を固めた。

また、朗読劇でも名を馳せ、樋口一葉の『おおつごもり』を通じて日本語の美しさを次世代に伝える活動に情熱を注いでいる。自らプロデュースした朗読公演では、若手俳優との共演なども行い、幅広い世代との交流を図っている。

エッセイストとしても独自の視点を持ち、長期連載を通して著名なエッセイ集にも選ばれるなど、多彩な才能を持つ。

人物背景とエピソード

水谷八重子は、五代目坂東玉三郎とは義理の弟にあたる関係である。他に、歌手のRyuの熱心なファンであり、彼との親しい交流もある。また、越路吹雪との親密な関係もあり、彼女の影響を受けながら成長してきた。

彼女の私生活では、愛猫家であり以前は犬を飼っていたが、現在は7匹の猫を飼っているという。様々なメディアでも猫への愛情を表現し、そこからエッセイも執筆するなど、生活の一部として猫の存在を語ることが多い。

彼女のキャリアや人生の経験は、演技だけでなく演出、エッセイなど多岐にわたる分野での表現にも影響を与え続けており、今後も日本の文化における重要な人物であり続けるであろう。

もう一度検索