水野勝 (官僚)

水野勝

水野勝（みずの まさる、1932年9月7日 - 2017年3月25日）は、日本の実業家、官僚であり、元国税庁長官です。静岡県磐田市出身。磐田南高校を経て、東京大学法学部を卒業後、1955年に大蔵省（現・財務省）に入省しました。

大蔵省・国税庁でのキャリア

入省後、水野は主税局調査課に配属され、税務官僚としてのキャリアをスタートさせました。その後、科学技術庁原子力局、税務署長、国税局総務課長などを経て、国税庁長官官房会計課長補佐に就任。1960年代から1970年代にかけて、大蔵省主税局を中心に、国際租税、総務、歳入など、税制に関する様々な分野で経験を積みました。

1978年には大蔵省主税局税制第一課長、1979年には同局総務課長に就任。1981年には大蔵省大臣官房審議官（主税局担当）に任命され、税制改正に深く関わりました。1984年には東京国税局長、1985年には大蔵省主税局長に就任し、税務行政の中枢を担いました。そして、1988年12月27日には国税庁長官に就任。1990年に退官するまで、日本の税制を司る要職を務めました。

2004年には、長年の功績が認められ、瑞宝重光章を受章。叙正四位に叙せられました。

退官後の活動

国税庁長官退官後は、生命保険協会副会長を経て、1994年に日本たばこ産業（JT）の社長に就任。その後、会長、相談役、顧問を歴任しました。また、日本税務協会会長、日本租税研究協会副会長も務めるなど、税務関連の要職も担いました。税務行政の経験を活かし、実業界でも活躍した人物と言えるでしょう。

著書

水野は、税制に関する深い知識と経験を基に、複数の著書を執筆しています。

『主税局長の千三百日 税制抜本改革への歩み』（1993年、大蔵財務協会）
『租税法』（1993年、有斐閣）
『来しかた行くすえ 税制とともに歩んだ三十年』（1993年、ぎょうせい）
『税制改正五十年 回顧と展望』（2006年、大蔵財務協会）

これらの著書は、日本の税制の歴史や課題を理解する上で貴重な資料となっています。

水野勝は、官僚として税制の中枢を担い、実業家としても活躍した人物です。その幅広い経験と知識は、日本の税制と経済に大きな影響を与えました。

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