水陽江

水陽江（すいようこう、Shuiyang River）は、中華人民共和国の安徽省と江蘇省を潤す、長江下流の右岸に位置する主要な支流です。この川は、東に隣接する江蘇省の太湖水系や、古都・南京を流れる秦淮河水系とも密接な関係を持っています。

その源流は、安徽省と浙江省の北西部境界にそびえる天目山に端を発します。水陽江は、安徽省内の績渓県、旌徳県、寧国市、宣州区、広徳市、郎渓県、蕪湖県、当塗県、そして江蘇省南京市の高淳区、溧水区という、合わせて10の県市区を悠々と流れていきます。

上流部では西津河と呼ばれ、流れが進むにつれて東西に分流するという特徴があります。西側の分流は青弋江と合流し、やがて長江へと注ぎ込みます。一方、東側の分流は当塗県の太平口で長江に合流します。水陽江の幹流は全長254キロメートルに及び、流域面積は10,305平方キロメートルという広大な範囲をカバーしています。

水陽江には、数多くの支流が流れ込んでいます。主なものとしては、西津河、中津河、東津河、郎川河、無量河、夏渡河、華陽河などが挙げられます。これらの支流は、水陽江全体の水量を豊かにし、流域の生態系を支える重要な役割を果たしています。

水陽江は、流域の農業、工業、そして生活用水を供給する重要な水源であり、地域経済の発展に不可欠な存在です。また、多様な動植物が生息する豊かな生態系を育み、地域の環境保全においても重要な役割を担っています。

近年、水陽江の流域では、都市化の進展や産業活動の活発化に伴い、水質汚染や生態系の破壊といった問題も深刻化しています。これらの問題に対処するため、流域全体での総合的な水質管理や環境保全の取り組みが求められています。地域住民、行政、企業などが協力し、水陽江の恵みを将来にわたって享受できるよう、持続可能な開発を進めていく必要があります。

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