氷あそび

トムとジェリー：氷上の攻防！『氷あそび』の魅力に迫る

1954年公開の『トムとジェリー』シリーズ作品、『氷あそび』（原題：Mice Follies）は、そのタイトル通り、氷をテーマにしたコミカルな作品です。いたずら好きのジェリーとニブルスが、冷蔵庫を操作して家の中を凍らせてしまうことから物語が始まります。

水浸しから始まる氷上の舞踏会

物語は、ジェリーとニブルスが家中の蛇口を開け放ち、室内を水浸しにすることから始まります。その後、冷蔵庫の冷却装置を巧みに利用し、リビングルーム全体を凍らせてしまうのです。

この状況は、トムとジェリー、そしてニブルスにとって、予想外の展開となります。リビングルームは巨大なスケートリンクと化し、ジェリーとニブルスは軽やかに氷上を舞い、アイスダンスを披露します。見ているこちらも、思わず笑顔がこぼれてしまうような、軽快なダンスシーンは必見です。

トムの奮闘と意外な結末

一方、別室で眠っていたトムは、騒ぎに気づき、様子を見にやってきます。しかし、そこでは予想だにしなかった光景が広がっていました。氷の上を滑ってきたニブルスは、勢い余ってトムのひげを引き抜いてしまいます。

怒ったトムは、ジェリーとニブルスを捕まえようとしますが、氷の上では思うように体が動きません。必死に爪を立てて滑らないようにしますが、ジェリーに爪を切られてしまい、思うように動きが取れません。

ジェリーとニブルスは、トムを巧みに操り、物置まで投げ飛ばしてしまいます。しかし、トムは偶然手に入れたスケート靴を履くことで、ジェリーたちと互角に渡り合えるようになります。ここから、二人のネズミとトムの、氷上での追いかけっこが始まります。

物語は、ジェリーがピンチに陥ったところで、意外な展開を迎えます。ニブルスは機転を利かせ、冷蔵庫を操作して部屋を解凍します。解凍されたことで、トムはびしょ濡れになってしまいます。しかし、トムは水鉄砲でジェリーを攻撃しようとしますが、ニブルスが再び冷蔵庫を操作し、「急速冷凍」をかけてしまいます。結果、トムは水鉄砲ごと凍り付いてしまい、ジェリーとニブルスは勝利を収めます。

キャラクターたちの個性

この作品では、それぞれのキャラクターの個性が際立っています。いたずら好きで機転の利くジェリー、そして、ジェリーをサポートするニブルス。そして、彼らに振り回されるトム。それぞれのキャラクターの行動や表情が、作品全体をより魅力的にしています。

特に、トムは、最初はジェリーたちに翻弄されますが、スケート靴を手に入れた後は、持ち前の運動神経を活かしてジェリーたちを追いかけます。しかし、ニブルスの策略によって、最後は凍り付いてしまうという、なんともコミカルな結末を迎えます。

音楽と演出

『氷あそび』では、チャイコフスキーの「眠れる森の美女」より「ワルツ」や、「春の声」といったクラシック音楽が使用されています。これらの音楽が、作品全体の雰囲気を盛り上げています。また、先に公開された「楽しいボーリング」を彷彿とさせる演出も散りばめられており、細部にまで作り手のこだわりを感じることができる作品となっています。

日本での放映

日本では、TBS系列をはじめとする各系列局で、1964年から1990年頃まで、時折放映されました。現在では、DVDにも収録されているため、いつでも楽しむことができます。

『氷あそび』は、トムとジェリーの魅力が凝縮された、まさに傑作と言えるでしょう。氷上でのコミカルなアクションと、予想外の結末は、何度見ても飽きることがありません。この作品を通して、トムとジェリーの世界観を存分にお楽しみください。

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