永嶋美佐子

永嶋 美佐子（ながしま みさこ）は、1969年9月11日生まれ、埼玉県出身の日本の表現者です。女優としての一面を持つ傍ら、特にスタントマン、そしてキャラクターに生命を吹き込むスーツアクターとして、長年にわたり日本の映像作品やエンターテインメント業界を支えています。

彼女のキャリアの礎となったのは、アクション俳優の登竜門としても知られる倉田プロモーションでの学びです。ここで培われた高度なアクション技術と身体能力が、その後の多岐にわたる活動を可能にしました。

スタントウーマンとしての活躍

永嶋氏は、映画やテレビドラマにおいて、俳優に代わって危険なシーンや複雑なアクションを担当するスタントウーマンとして、数多くの作品に貢献しています。

特に、2000年の映画『仮面学園』や2001年の『殺しの烙印 ピストルオペラ』ではスタントを担当。2001年の『特攻アルテミス』では擬闘、すなわち殺陣やアクションシーンの段取り付けに関わる役割も担いました。さらに、『リターナー』（2002年）、『あずみ』（2003年）、『HINOKIO』（2004年）といった大作映画では、主演キャラクターのアクションパートを任される「主演スタント」として、作品にリアリティと迫力をもたらしています。テレビドラマにおいても、『はみだし刑事情熱系』（1998年）でのスタントや、『刑事☆イチロー』（2003年）での主演スタントなど、その技術は高く評価されています。また、『恋する日曜日～電車』（2003年）では主演スタントに加え、スタントコーディネイトも手掛けるなど、アクション演出の分野にも携わっています。2009年にはアクション映画『ハイキック・ガール!』にも参加し、その身体能力を示しました。安全を確保しながらも、観客を惹きつけるダイナミックな演技は、作品世界に不可欠な要素となっています。

スーツアクターとしての顔

キャラクターのスーツや着ぐるみを着用し、登場人物に動きと感情を与えるスーツアクターとしても、永嶋氏は特筆すべきキャリアを築いています。特に特撮作品での貢献は顕著です。

1998年のテレビシリーズ『仮面天使ロゼッタ』では、主人公である仮面天使ロゼッタのスーツアクターとして、その華麗なアクションとキャラクター性を表現しました。ウルトラマンシリーズでは、『ウルトラマンティガ』（1997年）で吸血鬼、そして『ウルトラマンガイア』（1998年）のクライマックスを飾る根源破滅天使ゾグの第一形態を演じ、巨大な怪獣に生命感を吹き込みました。また、『超星神グランセイザー』（2003年 - 2004年）では、光のトライブに属するヒロイン、セイザーミトラスのスーツアクターを務め、変身後のキャラクターの活躍を支えました。さらに、アメリカで制作されている『パワーレンジャー』シリーズにおいても、2013年の『パワーレンジャー・メガフォース』以降、2018年の『パワーレンジャースーパーニンジャスティール』に至るまで、イエローレンジャー、ピンクレンジャー、パープルレンジャーといった主要な女性レンジャーのスーツアクターを長期にわたり担当。国境を越えて、多くの子供たちに愛されるキャラクターたちに、その確かな演技力で命を吹き込んでいます。

女優およびその他の活動

スタントやスーツアクターとしての活動に加え、女優として顔出しでの出演経験もあります。映画『貞子vs伽椰子』（2016年）では法柳の助手B役を演じ、『ケータイ刑事 銭形泪』（2003年）第5話にも浦島万亀役で出演しています。こうした役柄を通じて、多様な表現の幅を見せています。オリジナルビデオ作品としては、『仮面天使ロゼッタ 漆黒のフレイア』（1999年）でのロゼッタ役（スーツアクター）や、『魔神騎士ジャック☆ガイスト』（2001年）の神官ムーン役などがあります。また、CM、PV、さらにはゲーム作品のモーションキャプチャー、スタントショーやサーカスといったイベントにも参加しており、その活躍の場は非常に多岐にわたります。

永嶋美佐子氏は、その卓越したアクションスキルと表現力をもって、日本の映像作品やエンターテインメントにおいて、表舞台だけでなく、作品を支える重要な役割を担い続けています。スタントとして危険に挑み、スーツアクターとしてキャラクターに魂を宿す彼女の存在は、多くの作品にとって欠かせないものです。

もう一度検索