永遠の少女

アルバム『永遠の少女』について

『永遠の少女』は、松田聖子の32枚目となるオリジナル・アルバムで、1999年12月18日にリリースされました。この作品は、マーキュリー・ミュージックエンタテインメントから発売され、聖子の音楽キャリアの中でも特に重要な位置を占めています。

松本隆との再会

このアルバムの最大の特徴は、作詞家の松本隆との11年ぶりのコラボレーションです。松本は1988年に発売された『Citron』の制作以来、聖子とスタジオで再会することとなり、彼はその際「戦友に逢った感じで、まさに『SWEET MEMORIES』のような気持ちだった」と振り返っています。この作品では聖子自身が作詞に関与せず、ほかのアーティストにより歌詞が書かれるのは、1989年にリリースされた『Precious Moment』以来のことでした。

新しい作家たちと初めての挑戦

また、『永遠の少女』は多くの新しい作家が参加している点も特色です。笹路正徳は数年ぶりにこの作品に関わりました。アートワークの撮影は著名な写真家・篠山紀信によって行われ、アルバム全体に視覚的な魅力も加わっています。

先行シングルと収録曲

先行シングルとしてリリースされた「哀しみのボート」は、フジテレビのドラマ『OUT〜妻たちの犯罪〜』の挿入歌として使用されました。一方、B面曲の「葡萄姫」は未収録となり、2005年発売の25周年記念ベストアルバムに収められることとなります。

1990年代には、夏にオリジナル・アルバム、年末に冬をテーマにした企画アルバムを発表する傾向があったため、冬にオリジナル・アルバムがリリースされるのは非常に珍しいことでした。加えて、歌詞カードには誤印刷があったため、特別に「カモメの舞う岬」の修正歌詞が記載された紙が同封されました。

収録曲の詳細

全曲の作詞は松本隆が担当し、収録曲は以下です：

• - 月のしずく（作曲: 宮島りつ子、編曲: 井上鑑）
• - ペーパードライバー（作曲: 千沢仁、編曲: 岡本更輝）
• - 哀しみのボート（作曲: 大久保薫、編曲: 岡本更輝）
• - 櫻の園（作曲: 大村雅朗、編曲: 石川鉄男）
• - 恋はいつでも95点（作詞: ALICE、作曲: 羽場仁志、編曲: 井上鑑）
• - samui yoru（作詞: 吉法師、作曲: 佐々木孝之、編曲: 笹路正徳）
• - エメラルド海岸（作曲: 柴草玲、編曲: 大平太一）
• - カモメの舞う岬（作曲: 島野聡、編曲: 石川鉄男）
• - 心のキャッチボール（作曲: 福士健太郎、編曲: 笹路正徳）
• - 哀しみのボート（Millennium）（作曲: 大久保薫、編曲: 井上鑑）

特に「櫻の園」は、大村雅朗の遺作であり、松本が作詞を手掛けることで故人に対する追悼の気持ちを表現しています。この曲は、松田が録音時に感情を込めすぎて号泣する場面があったほど、深い思いが込められた作品です。

「櫻の園」は、多くのファンに支持されており、ベストアルバムにも何度も取り上げられています。このアルバムは、聖子ファンにとって欠かせない一枚であり、音楽的にも感情的にも非常に rich な作品です。

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