永遠の野原

漫画『永遠の野原』の概要

『永遠の野原』は、日本の漫画家逢坂みえこによる作品で、1988年から1997年まで『ぶ〜け』（集英社）に連載されていました。全45話、単行本は全16巻、文庫版は全9巻が出版されており、1991年には第15回講談社漫画賞少女部門を受賞しました。この作品は、高校生から大学生へと成長する主人公を中心に、登場人物たちの友情や家族への思い、恋愛に関するストーリーを描いています。舞台は、作者が育った阪急宝塚線沿線地域が主となっており、リアルな風景が作品に深みを与えています。

物語のあらすじ

物語は、高校2年生の二太郎が姉の一姫、そして子犬のみかんと共に暮らしているところから始まります。二太郎は、一姫の恋人である柳に対して反発しつつ、同級生の太や野沢との日常を楽しんでいます。二太郎の心には、女友達の野沢に対する淡い恋心が芽生えますが、野沢は太に恋をしていることを知り、彼の気持ちは揺れ動きます。

高校の生活の中で、二太郎は通学電車で出会ったマリコと付き合うようになりますが、マリコもまた太に心を寄せるように。マリコの気持ちを知った二太郎は彼女と別れ、一姫は集栄賞を受賞し、柳と婚約するという展開に。このように、周囲の関係も絡まりながら、二太郎たちの成長が描かれます。

物語はさらに進み、大学へ進学後も二太郎はマリコの思い出に悩まされ続けます。冬のある日、彼は大学1年生として太のバイト先で再会したマリコに驚かされますが、彼女は変わり果てていました。しかし、二太郎との再会や老犬フェルディナンドとの出会いによって、マリコは徐々に本来の姿を取り戻していきます。

一姫と柳の結婚式の日、あの日と同じ嵐の日に太は横浜へ向かう旅立ちを迎えます。その際、二太郎は新大阪駅へと向かい、そこで見送りに現れるはずの野沢の姿がないことに気づきます。一方、野沢は東京駅で太を迎えるために先回りし、彼へ思いを告げます。二太郎は、マリコと共に嵐の過ぎ去った野原で、永遠とは何かを考えるのです。

主な登場人物

• - 古屋 二太郎（ふるや にたろう）: 本作の主人公。高校生で自分の外見にコンプレックスを抱きつつも、姉と共に日常を過ごします。短いながらもさまざまな恋愛を経験し、人間関係についての深い理解を得ていく成長が描かれます。

• - 古屋 一姫（ふるや いちひめ）: 二太郎の姉でSFホモ小説家。彼女の成功とともに家庭の事情がどのように二太郎に影響を与えるのかが、物語の一つの側面を成しています。

• - 石田 太（いしだ ふとし）: 二太郎の親友であり、彼の恋愛経験や複雑な感情は、ストーリーの鍵となります。彼と二太郎の友情が物語を通じてどのように展開していくのかも見どころの一つです。

• - 野沢 ひとみ（のざわ ひとみ）: 二太郎の女友達で太に思いを寄せています。彼女の一途な愛情が物語に動的な要素を加えており、友情と恋愛の間での葛藤を通して、愛の形を探るキャラクターです。

• - 田中 真理子（たなか まりこ） / マリコ: お嬢様育ちの女子学生で、二太郎の初恋の相手でもあります。彼女の心の成長や葛藤が、物語の重要なテーマの一つとなっています。

まとめ

『永遠の野原』は、青春の甘酸っぱさと試練を表現した作品で、登場人物たちの人間関係が織り成す物語は、今なお多くの読者の心に残ります。青春を生きる彼らの姿は、成長の過程や人間関係の大切さを思い起こさせてくれることでしょう。

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