江丹別村

江丹別村：旭川市への編入まで

北海道上川郡に位置していた江丹別村は、短いながらも独自の歩みを持つ村でした。その歴史は、1906年（明治39年）にさかのぼります。この年、北海道二級町村制の施行に伴い、上川郡鷹栖村の一部が分離、独立して新たな村として誕生しました。これが江丹別村の前身と言えるでしょう。当時は、現在の旭川市の一部地域を含んでいました。

それから約18年後、1924年（大正13年）6月4日、鷹栖村は東鷹栖村と改称。同時に、村域の再編が行われ、江丹別村と新たな鷹栖村（一級村）に分離しました。この分村により、江丹別村は明確な行政単位として確立し、独自の行政運営を開始することになります。二級町村制の下、地域の発展に貢献しました。

江丹別村の発展は、村内における新たな集落の形成にも表れています。1941年（昭和16年）には、春日、嵐山、共和、中園、芳野、清水、西里、拓北、富原、中央の10の字が誕生しました。これらの字の成立は、人口増加や農業、その他の産業の発展による村域の拡大を反映していると言えるでしょう。各字には、独自の地域社会が形成され、江丹別村全体の活性化に貢献したと考えられます。

しかし、江丹別村の歴史は、昭和30年（1955年）4月1日に幕を閉じます。この年、旭川市への編入合併により、江丹別村は消滅しました。合併は、より広域的な行政運営や公共サービスの効率化を目指したものでした。江丹別村は、旭川市の発展に貢献する形で歴史に幕を閉じました。

わずか約50年の歴史でしたが、江丹別村は、北海道の地方自治の歴史の中で重要な役割を果たしたと言えるでしょう。町村制施行、分村、字の成立、そして旭川市への編入という一連の出来事を経て、その歴史は北海道の地方自治の変遷を象徴的に示すものとなっています。現在、江丹別村という地名は地図上には存在しませんが、その歴史は、旭川市の発展に貢献した重要な一頁として、未来へと受け継がれていくことでしょう。

江丹別村の消滅後、その地域は旭川市に統合され、現在では旭川市の一部として発展を続けています。かつての村の面影は、地名や地域住民の記憶の中に息づいていると言えるでしょう。

参考文献
『市町[[村]]名変遷辞典』東京堂出版、1990年

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