江南市立図書館

江南市立図書館

江南市立図書館は、愛知県江南市にある公共図書館です。1976年4月1日に石枕町に開館し、2023年4月1日に北山町西の複合施設トコトコラボ（toko⁺toko⁼labo）に移転しました。

特徴

江南市立図書館は、江南市の発展とともに歩んできた図書館です。蔵書数や貸出数は、時代のニーズに合わせて増加し、市民の知的好奇心を満たす場所として機能しています。以下に、図書館の歩みを詳しく見ていきましょう。

歴史

前史：私立図書館 瀧文庫

大正から昭和初期にかけて、江南市には繊維商社の株式会社滝兵商店（現タキヒヨー）が運営する私立図書館「瀧文庫」がありました。1933年には瀧文庫の蔵書が滝実業学校（現滝中学校・高等学校）図書館に引き継がれ、瀧文庫の建物は地区公民館として活用されました。この瀧文庫の存在は、江南市における図書館の歴史の始まりと言えるでしょう。

公共図書館の開館前

1954年、古知野町・布袋町・宮田町・草井村が合併して江南市が発足しました。合併前の古知野町にあった図書室を引き継ぎ、江南市役所内に図書室が設置されました。1961年からは愛知県図書館の移動図書館サービスを受け、1965年には旧蚕業指導所江南出張所へ、1969年には江南市民体育会館へと移転しました。この体育会館への移転時から、貸出業務が開始されています。

石枕町時代（1976年～2022年）

1976年、実業家である江口碩之介氏からの寄付を基に、江南駅の東約1kmに江南市立図書館が開館しました。和風の外観が特徴で、開館時の蔵書数は約15,000冊でした。館内には図書運搬用の小荷物専用昇降機が設置されていましたが、利用者のためのエレベーターはありませんでした。

1979年、国際法学者であり最高裁判所長官を務めた横田喜三郎氏が江南市初の名誉市民に選ばれました。横田氏からの寄付により「横田教育文化事業基金」が創設され、その利息が図書館の「横田文庫」の図書購入費に充てられています。

2003年には蔵書数が約10万点に達しましたが、施設が狭隘になり、利用しづらいという問題も指摘されるようになりました。また、学習席が少ないという問題もありました。1984年には参考資料室を設置し、電動書架を導入して収蔵能力を拡大させました。

新図書館構想の停滞

1998年には新図書館の建設計画が持ち上がったものの進展せず、2005年には白紙となりました。一方で、江南市東部の住民は近隣の扶桑町図書館を利用する人も多く、江南市では図書館への要望が市民から多く寄せられていました。2002年には公式サイトを開設し、オンライン蔵書検索や予約サービスを開始しました。2003年には、中心市街地の複合施設に図書館を入れる構想も上がりました。

その後

2003年、週の定期休館日が廃止され、毎月の休館日は第4木曜日だけとなりました。同年、市内の3か所に情報端末を設置し、図書の検索・予約貸出・返却を可能にしました。2004年には、尾張北部広域行政圏市町立図書館の相互利用を開始し、近隣市町の住民も図書館を利用できるようになりました。

2007年には指定管理者制度を導入し、開館時間の延長や特別整理期間の短縮が実現しました。また、名鉄犬山線江南駅に返却ポストを設置し、利便性が向上しました。2011年には雑誌スポンサー制度を導入するなど、図書館運営の効率化と市民サービスの向上に努めています。2014年には講演会を開催し、図書館の重要性を広く市民に啓発しました。

2015年、市議会は新たな図書館の建設を強く要望し、市長も新図書館建設に向けた準備を進める方針を示しました。2017年時点では蔵書数は約125,700冊と、人口規模に対して少ないとされ、施設も老朽化していました。

トコトコラボ時代（2023年～）

2022年12月、石枕町の図書館は移転準備のため長期休館に入り、2023年4月1日に複合施設トコトコラボ内に新図書館が開館しました。

蔵書数と貸出数

開館当初の1976年度末の蔵書数は19,474冊、貸出数は28,852冊でした。1982年度には貸出数が人口を超え、1983年度には10万冊を超えました。その後も貸出数は増加し続け、2003年度には30万冊を超えました。2003年度には蔵書数が10万冊を超え、2011年度以降はほぼ横ばいとなっています。2015年度の蔵書数は123,844冊、貸出数は415,754冊でした。

まとめ

江南市立図書館は、市民の学習と文化活動を支える重要な施設です。歴史の中で様々な変遷を経て、2023年には複合施設トコトコラボに移転し、新たなスタートを切りました。今後も、地域社会の発展に貢献していくことが期待されます。

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