江埼灯台

江埼灯台の歴史と概要

江埼灯台（えさきとうだい）は、兵庫県淡路市の野島江崎に位置する白亜の石造灯台です。この灯台は、淡路島の北端にある松帆崎の西にあり、1867年に締結された大坂条約に基づき、明治時代初期に建設された洋式灯台の一つです。日本で初めて建設された5基の洋式灯台のうちの最初のものとして、非常に重要な文化的価値を持っています。江埼灯台は、Aランクの保存灯台として認定され、国の重要文化財および土木学会選奨土木遺産にも指定されています。

灯台からは、美しい明石海峡大橋の眺めを楽しむことができ、周囲は瀬戸内海国立公園に保護されています。江埼灯台は、その美しい外観とともに、海上交通の安全を守る重要な役割を果たしてきました。

歴史的背景

1867年4月、日本の幕府と英国公使が結んだ大坂条約によって、兵庫の開港に向けた準備が始まりました。この際、江埼灯台を含む5基の洋式灯台を建設することが約束され、その最初に建設されたのが江埼灯台です。1871年6月14日に初点灯したこの灯台は、「灯台の父」と称されるリチャード・ヘンリー・ブラントンの設計に基づいたもので、日本で8番目の洋式灯台としての歴史を刻みました。灯台には、地元の家島産の御影石が使用され、最初の光源は石油ランプでした。

江埼灯台は、1933年に電化されてからも長い間機能を維持し、1981年には無人化されました。しかし、1995年に発生した阪神・淡路大震災では、灯台に大きな損害を与えてしまいます。1996年には灯台の旧退息所が香川県高松市にある「四国村（四国民家博物館）」に移築・復元され、2000年には国の登録有形文化財として認定されました。さらに、2018年に土木学会選奨土木遺産に選ばれ、2022年には国の重要文化財に指定されています。

旧退息所

江埼灯台の旧退息所は、およそ130年の歴史を持つ建物で、四国村に移築保存されています。この建物内部には、灯台職員が使用していた調度品や設計図などの貴重な資料が展示されており、訪れた人々に江埼灯台の歴史を伝えています。これは、灯台の文化的な価値をさらに高める要因となっています。

交通アクセス

江埼灯台へのアクセスは、兵庫県道31号福良江井岩屋線を利用し、灯台直下の緑の道しるべ江崎公園駐車場に車を止めることができます。また、淡路市の生活観光バス（あわ神あわ姫バス）の路線を利用することも可能で、松帆浦で下車することができます。

周辺情報

江埼灯台の周辺には、明石海峡大橋があり、訪問者にとっては壮大な景色が楽しめるスポットです。また、大阪マーチスという観光地も近くに位置しています。江埼灯台は、その美しい自然環境と豊かな歴史を持つ場所として、多くの人々を魅了し続けています。

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