江波 (広島市)

江波（えば）

広島市中区に位置する江波は、歴史的にも地理的にも興味深い地域です。江波は、広島市中心部から南に下った場所にあり、平坦な地形が特徴的です。また、広島電鉄江波線が通っており、交通の便も良好です。

地理的特徴

江波は南北に長細い形をしており、東側には旧太田川が流れ、南側には広島湾が広がっています。さらに、西側には天満川が流れており、周囲を水域に囲まれた地域です。この地理的特徴から、江波は古来より漁業が盛んでした。

歴史

江波の名前の由来は、漁業が盛んだった時代に良いエサ場として名付けられた「餌場」とされており、やがて「江波」と呼ばれるようになりました。江波区域には「江波二本松」と呼ばれる場所があり、これはかつての養殖場に由来しています。江波皿山公園は、地元で有名な江波焼の皿を焼いていたことから名付けられました。

実は江波は、かつて江波島として広島湾に存在していました。その後、416年前に広島城が築かれた際、大規模な干拓によって、江波は陸地となりました。昭和後期には都市化が進む中で、江波の歴史的背景が地域の魅力となっています。

近代の産業と発展

江波は江戸時代に広島の外港として栄え、特に海苔やカキの生産が盛んでした。1889年には近隣の宇品港が開港し、江波の外港としての役割は減少しましたが、現在でも漁港として活躍しています。

第二次世界大戦後、江波における工業の発展が進み、特に三菱重工の工場が重要な位置を占めています。工場の操業は地域経済に寄与していますが、戦後の埋め立てや工業港の造成は、漁業産業に多くの影響を与えました。

教育と文化

江波の教育施設には、広島県立広島商業高等学校や広島市立江波中学校などがあります。また、歴史的な堅実さに加え、地域の祭りや行事も皆に親しまれています。「江波の火祭り」や「南の風EBAあそび」など、地域の伝統が息づいています。

アクセスと近年の取り組み

近年、江波は広島南道路や広島高速道路の整備により交通アクセスが向上しました。しかしながら、道路建設による地域コミュニティの分断に対し、賑わいを創出する取り組みも行われています。

江波商店街は近年解散を迎えましたが、その一帯には多くの飲食店や商業施設も存在し、住民の日常に彩りを加えています。

結論

江波はその土地柄に根ざした豊かな歴史を持ちつつ、現代の発展を遂げている地域です。今後も、伝統を守りつつ進化を続ける江波の地域性に注目していきたいところです。

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