江熊哲翁

江熊 哲翁（えぐま / えくま てつお）

江熊哲翁は1893年4月25日に大分県宇佐郡、現在の宇佐市で生まれた水産技術者であり、政治家としても知られる存在です。彼の活動は大正から昭和時代にかけて広がり、日本の水産業に多大な貢献をしました。

教育とキャリアの始まり

彼は1916年に農商務省水産講習所を卒業しました。この学校は現在、東京海洋大学として知られています。この頃から彼は水産に関する技術者としての道を歩み始め、1918年には大分県の水産技手に就任しました。その後、技術者としての彼の技能は評価され、水産試験場技手や台湾総督府技手、さらには滋賀県技手など、さまざまな職務を歴任しました。

水産業界での貢献

江熊は地方農林技師としての役割も果たし、特に佐賀県では水産課長兼水産試験場長、さらには水産製品検査所長としての職務を務めました。愛媛県や山口県でも水産課長としての責任を担い、下関漁港事務所の事務取扱も行っていました。その実績によって、山口県における水産業の発展に尽力し、さまざまな役職を通じて地域水産業への貢献を果たしました。

彼の主な役職には、山口県健民対策審議会専門委員、同水産業会長、漁業組合連合会長、漁村振興協議会長、さらには福石商会会長や天山商事社長など、多岐にわたる活動が含まれます。これらの役職を通じて、江熊は地域の水産業の発展と礎を築くために尽力しました。

政治活動

1947年には第1回参議院議員通常選挙において、全国区から無所属で出馬し、見事に当選を果たしました。この選挙での成功により彼は緑風会に所属し参議院議員を1期務めます。しかし、その後の第2回通常選挙では落選してしまいます。

栄誉と晩年

江熊は1965年春に勲四等旭日小綬章を受章しました。これは彼の長年にわたる水産業に対する貢献が評価された証でもあります。彼の活動は故郷である大分や山口県において大変重要なものであり、人々の生活や地域の経済に対してプラスの影響を与えました。

1974年5月20日に彼は亡くなりましたが、その遺した業績は今もなお評価され、地域の水産業界の発展に寄与した偉大な人物として記憶されています。江熊哲翁の生涯は、日本の水産業の歴史において重要な一章を形成していると言えるでしょう。

参考文献

• - 『大衆人事録 第14版 近畿・中国・四国・九州篇』帝国秘密探偵社、1943年。
• - 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
• - 中西輝磨『昭和山口県人物誌』マツノ書店、1990年。
• - 『国政選挙総覧 1947-2016』日外アソシエーツ、2017年。

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