江音寺 (諏訪市)

瑞雲山 江音寺

江音寺は、長野県諏訪市にある臨済宗妙心寺派の寺院で、山号を瑞雲山と称します。

歴史

江音寺は、もともと信州大安寺という真言宗の寺院を前身としています。その創建は平安時代中期頃と推定されており、長い歴史を有しています。鎌倉時代末期の1321年頃、臨済宗の僧侶である通翁鏡円和尚が巡回教化の際に大安寺に数年滞在し、荒れていた堂宇を修理したことが、その後の隆盛の礎となりました。1467年頃には、郷守の藤原好照が鏡円普照国師を開山として寺院を建立し直したと伝えられています。しかし、1565年5月には、雨による土石流によって堂宇が押し潰され、廃絶してしまいました。

その後、1602年に初代諏訪藩主の諏訪頼水の命により、筆頭家老の千野頼房が、大安寺の名跡を継ぐ形で「瑞雲山江音寺」を開基しました。この際、寺の位置は大安寺の場所から数百メートル移動しています。開山は坎室宗革和尚で、以降、江音寺は千野家老家の菩提寺として栄えました。1692年から1709年にかけて大規模な工事が行われ、1814年から1818年にかけても修理と大工事が行われました。しかし、1843年3月29日には火災により本堂や庫裡などが焼失してしまいました。現在の主要な堂宇は、1845年から1865年にかけて行われた復旧工事によって再建されたものです。この頃に植樹されたと見られるシダレヤナギは、諏訪市指定の天然記念物となっています。

1980年には、中央自動車道の建設計画によって参道が横断されることになり、トンネル工法によって参道の下を高速道路が通るようになりました。この工事に伴い、観音堂の移動や各門の新築など、境内前面が大きく一新されました。

出典

• - 『諏訪の名刹 臨済宗妙心寺派 』南信日々新聞社(現:長野日報社)(1981)

関連項目

• - 諏訪市の寺院

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