池上洋通

池上 洋通（いけがみ ひろみち）について

基本情報

池上洋通（1941年生）は、日本の地方自治研究者として広く知られています。彼は静岡県清水市で生まれ、地域社会と地方自治に関する多様なテーマについて積極的に発言や執筆を行っています。その活動は、研究だけに留まらず、ジャーナリズムの分野でも幅広く展開されています。

略歴

池上はフリーライターとしてキャリアをスタートさせた後、1974年から1992年にかけて東京都日野市の市役所で勤務しました。彼は秘書課、企画課、社会福祉課、市民会館などで様々な職務に従事し、この期間に市の基本構想策定や市民意識調査、社会福祉政策と文化政策の立案に携わりました。また、地域における文化運動、そして障がい者および難病患者の運動にも関与し、政府の難病政策転換（施設から在宅へのシフト）に寄与しました。

このような経験から、全国組織である自治体問題研究所に参加し、地方自治や地域運動に関する執筆活動を始めます。1992年には日野市役所を退職し、自治体問題研究所の常勤役員として、事務局長、常務理事、さらには「住民と自治」の編集長を務めるなど、研究活動の場を広げました。

研究活動

池上は、地方自治の原則や制度、また社会福祉、医療、教育に関する政策論、自治体労働組合運動や地域住民運動など多岐にわたるテーマについて積極的に主張しています。特に日本における地方自治、特に市町村の問題点を明らかにし、その解決策を探る研究を進めています。

彼は「平成の大合併」について、地方自治の目的を損なう政策であるとし、テレビや新聞で市町村合併に反対する立場をとりました。この時期には全国各地の自治体から招かれ、彼の見解を発信してきました。加えて、千葉大学や自治医科大学、法政大学などで講師としても活動し、若い世代への啓発にも努めています。

現在の活動

2006年からは自治体問題研究所の主任研究員および東京多摩自治体問題研究所の理事長、日野・市民自治研究所の副理事長を務めています。さらに、栃木県立衛生福祉大学校の講師としても活動しています。彼は日本社会医学会や日本社会学会、また日本ジャーナリスト会議など、様々な研究団体や社会活動組織の会員として参加しています。

著作

池上の著書には、ある重要な問題を考察する一助となる作品が多数あります。単著では「市町村合併これだけの疑問」（2001年）、また「地域活動事始め」（1999年）などがあります。共編著の中には「市民立学校をつくる教育ガバナンス」（2005年）があり、また共著で「世界史から見た関東大震災」（2004年）などもあります。

多岐にわたる論文やエッセイも執筆しており、これらは地方自治に関する理解を深めるための貴重な資料とされています。彼の業績は地域社会の発展や地方自治の健全な運営に貢献するものとして評価されており、多くの研究者や活動家に影響を与えています。

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