池坊専好 (4代目)

池坊専好：伝統と革新を花開かせた女性家元

池坊専好氏は、華道界において歴史的な人物です。45世家元・池坊専永氏を父に持ち、1965年9月20日に京都で生まれました。幼少期から華道に触れ、学習院大学卒業後、1989年に得度。法名・専好を授かり、家元継承者としての道を歩み始めます。2015年、池坊家元として正式に襲名。池坊の歴史において初の女性家元となりました。

専好氏の経歴は華道の伝統を守りながら、現代社会に適応しようとする姿勢を示しています。大学では国文学を専攻し、その後、立命館大学大学院、京都工芸繊維大学大学院を修了。博士号を取得するなど、学問にも励みました。京都市芸術新人賞や京都府文化賞功労賞などを受賞しており、その功績は高く評価されています。

専好氏の活動は、華道家としての活動にとどまりません。日本いけばな芸術協会副会長を務めるなど、華道界全体の発展にも貢献しています。また、テレビ番組への出演や映画『日本のいちばん長い日』での香淳皇后役など、幅広い分野で活躍しています。これらの活動を通して、華道の魅力をより多くの人々に伝える努力を続けています。

専好氏の家系は、日本の歴史において重要な役割を果たした人物たちと複雑に繋がっています。母方の高祖父は久邇宮朝彦親王、曽祖母は素子女王。母方の血縁には皇族の方々や、政財界の著名人が多く含まれます。正力亨氏や正力源一郎氏なども親族にあたり、その影響は計り知れません。さらに、麻生太郎氏、安倍晋三氏など、数多くの政治家との親族関係も明らかになっています。これらの繋がりは、専好氏の活動にどのような影響を与えているのか、興味深いところです。

専好氏は、数多くの著書も出版しています。代表的な作品には『幸福の瞬間 池坊に生まれて』『秘すれば花』『花の季 池坊由紀の世界』などがあります。これらを通して、専好氏の華道への情熱や、人生観の一端を知ることができます。

池坊専好氏は、伝統と革新を融合させた、現代における華道の新しい形を提示しています。家元としての重責を担いながら、学問への探求、社会貢献、そして芸術活動と、多岐にわたる活動を通して、華道界のみならず、広く社会に貢献しています。今後の活動にも、注目が集まります。

主な受賞歴

2004年：京都市芸術新人賞
2016年：京都府文化賞功労賞
2021年：地域文化功労者

主な著書

幸福の瞬間 池坊に生まれて (1990年、朝日出版社)
秘すれば花 (1995年、通商産業調査会出版部)
花の季 池坊由紀の世界 (1997年、主婦の友社)

主な出演

テレビ番組：京都謎解きおんなパラダイス（京都チャンネル）
映画：日本のいちばん長い日 (2015年、松竹) - 香淳皇后 役

もう一度検索