池多村

池多村の概要

池多村（いけだむら）は、かつて富山県婦負郡に存在した村である。その名前は、この地域が山に囲まれ、川がないために、多くの雨水を貯める沼池があったことに起因している。

村の沿革

池多村は1889年4月1日に、町村制施行に伴い、婦負郡の西押川村、平岡村、三ノ熊村、開発村、坂下新村、北押川村、北野村、山本村、山本新村、椎土村および土代村の区域を統合して発足した。当初の戸数は309、人口は1,738人であった。

村の歴史の中で特筆すべきは1959年の分割である。この年の1月1日、池多村は以下のように分割された。一部の区域が婦負郡呉羽町に編入され、残りの区域は射水郡小杉町に編入された。この合併問題は、1954年4月26日に小杉派村議員によって小杉町への合併が提案され、呉羽町との合併論も浮上し、村民は小杉提案派と呉羽提案派に分かれて対立した。

さらに1957年3月20日に富山県知事が池多村の五つの部落を分村し、小杉町に合併すべきと勧告したが、その直後に呉羽町の議会が全村合併を決議し、調整は難航した。しかし、1959年3月3日に池多、呉羽、小杉の各町村議会において分村合併が円満に議決され、ついに合併問題は解決を見た。

歴代村長

池多村には数名の村長がいた。まず、初代村長は中村嘉一（1889年5月21日 - ）で、以降も以下のように村長が交代した。金村嘉一（1893年5月21日 - ）、華山三郎（1898年5月11日 - ）、藤井小三郎（1903年1月16日 - ）、林文蔵（1905年4月19日 - ）、肥田梅太郎（1907年7月23日 - ）、松田久作（1907年8月29日 - ）、藤田仁顕（1908年9月21日 - ）、当該村長が何度も再選されている例もある。

このように、歴代の村長たちは村の発展に努め、地域の課題に取り組んできた。その中でも林文蔵は、1911年から1919年まで3回も村長職を務めており、村政に深く関わった人物である。

まとめ

池多村は山に囲まれた特異な地理と、豊かな歴史を持っていた。ただし、合併や村名の変遷があったため、現在の地図にはその名を見ることはできない。過去の池多村の歴史を振り返ることは、地域の発展の背後にあった人々の努力を再認識する貴重な機会となるだろう。

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