池尻勉

池尻 勉（いけじり つとむ）

池尻 勉氏は、1948年10月16日に島根県で生まれ、プロ野球の舞台で捕手としてプレーした経歴を持つ人物です。彼の野球人生は、出身地である島根県で育まれました。

野球に打ち込んだのは、島根農科大附属農林高校時代です。高校球児として、彼はチームの打線において、中軸を担う4番打者として活躍しました。また、守備においては、チームを指揮する要である捕手のポジションを務め、バッテリーの中心として投手をリードし、守備陣を統率する役割を担いました。打撃、守備の両面でチームに貢献する、高校野球における中心選手の一人でした。

高校卒業後、池尻氏はプロ野球選手になる道を選びます。1966年、当時のパシフィック・リーグに所属していた南海ホークスが実施した入団テストを受けました。この年の南海ホークスのテストは、特に捕手というポジションに絞って行われるという珍しい形式でした。池尻氏は、高校時代に培った捕手としての能力をこのテストで存分に発揮し、見事に合格を勝ち取ります。そして、このテスト合格を機に、同年のドラフト会議を経ずに、いわゆるドラフト外での入団という形で南海ホークスの一員となりました。

プロの世界に足を踏み入れた池尻氏ですが、厳しいプロ野球の競争に直面します。南海ホークスに入団した1967年から現役を退く1971年までの期間、プロ野球選手として活動しました。しかしながら、この期間中、一軍の公式戦に出場する機会は極めて限定的なものに留まりました。プロ野球機構（NPB）の記録によれば、彼が一軍のグラウンドに立ったのは、確認されている限りではわずか一試合のみです。この唯一の一軍出場も、試合開始時のスターティングメンバーとして名を連ねるものの、守備につくことなくすぐに交代する、いわゆる「偵察メンバー」としての役割でした。プロの世界における一軍定着の難しさ、特に捕手というポジションの競争の厳しさをうかがわせるキャリアでした。

プロ野球選手として南海ホークスに在籍した期間、池尻氏が一貫して背負った背番号は「47」でした。入団した1967年から、プロ野球選手としての現役生活に終止符を打った1971年まで、この番号とともにプロ野球のキャリアを歩みました。そして、1971年シーズンをもって、池尻勉氏は惜しまれつつもプロ野球選手としてのユニフォームを脱ぎ、現役生活に幕を下ろしました。プロ野球選手としての実働期間は約5年間という短いものでしたが、高校野球で培った才能を胸に、プロの世界に挑んだその足跡は、記録の中に刻まれています。

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