池田学 (画家)

池田学は、1973年10月28日に佐賀県多久市で生まれました。佐賀北高校芸術コースを卒業後、東京藝術大学美術学部デザイン科に進学し、2000年に同大学大学院修士課程を修了しました。彼の作品は、アクリル顔料インクと丸ペンを使用し、フランス製の美術用紙「アルシュ」に描かれます。特徴的なのは、事前に全体の下絵を描かず、イメージを膨らませながら緻密に描き進めるスタイルです。そのため、1日に描ける範囲はわずか10センチメートル四方程度にとどまります。

2001年には、「再生」が第4回はままつ全国絵画公募展大賞と佐賀銀行文化財団新人賞を受賞し、その才能が広く認められるようになりました。2011年からは文化庁芸術家在外研修員としてバンクーバーに滞在し、その後、アメリカ・ウィスコンシン州マディソンにあるチャゼン美術館に滞在し、制作活動を続けています。

池田学は、2000年から10年間、朝日新聞の法廷画家としても活動していました。オウム事件やライブドア事件など、社会的に注目を集めた裁判の法廷画を手がけ、その緻密な描写力は高く評価されました。

彼の主な作品には、卒業制作の「厳ノ王」（1998年）、浜松市美術館に所蔵されている「再生」（2001年）、チャゼン美術館に所蔵されている「くさかまきり」（2004年）、森美術館所蔵の「方舟」（2005年）、高橋コレクション蔵の「興亡史」（2006年）、「予兆」（2008年）、「Meltdown」（2013年）などがあります。これらの作品は、彼の卓越した技術と独特の世界観を反映しています。

池田学の作品は、緻密な描写の中に生命力や物語が感じられることが特徴です。彼の制作プロセスは非常に手間がかかりますが、その一つ一つの線が重なり合い、見る人を魅了する壮大な世界を作り上げています。彼の作品は、国内外の美術館で展示され、多くの人々に感動を与えています。

趣味はロッククライミング、フリースタイルスキー、登山と、非常にアクティブな一面も持ち合わせています。これらの趣味が彼の創作活動にどのような影響を与えているのか、今後の作品からも目が離せません。

主な作品

「厳ノ王」（1998年卒業制作）
「再生」（2001年）160.5cm×161cm 浜松市美術館蔵
「存在」（2004年） 145cm×210cm
「くさかまきり」（2004年） チャゼン美術館蔵
「方舟」（2005年）89.5×130.5cm 森美術館蔵
「興亡史」（2006年）200cm×200cm 高橋コレクション蔵
「予兆」（2008年）190×360cm
「Meltdown」（2013年） チャゼン美術館蔵

外部リンク

プロフィールと作品
PUBLIC-IMAGE.ORG インタビュー
Round About インタビュー
artscape 池田学《再生》──ペン画が編み出す自然と文明の神話「吉川利行」／影山幸一（2009年04月15日号）
池田学マディソン日記
The Creators Project
* Huffpost Arts&Culture: Manabu Ikeda, Japanese Artist, Creates Massive Drawings With Just Pen And Ink (PHOTOS)

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