沖縄住民の国政参加特別措置法

沖縄住民の国政参加特別措置法

沖縄住民の国政参加特別措置法（昭和45年5月7日法律第49号）は、沖縄住民が日本国民として国政に参加するための特別な措置を定めた法律です。この法律は、沖縄がまだアメリカの施政下にあった時代に、沖縄住民の意見を国政に反映させるために制定されました。沖縄復帰前の過渡的な措置として、公職選挙法の特例として位置づけられています。

概要

1970年代初頭、沖縄の日本復帰が目前に迫る中、沖縄住民の意思を国政に反映させる必要性が高まりました。しかし、当時沖縄は日本の施政権が及ばない状態であったため、通常の公職選挙法を適用することができませんでした。そこで、沖縄住民の国政参加を可能にするため、特別な法律が制定されることとなりました。

具体的には、沖縄の立法府である立法院が「沖縄住民の国政参加特別措置法に基づく衆議院議員及び参議院議員選挙法」（1970年立法第98号）を制定し、これに基づいて衆議院議員と参議院議員が選出されました。この選挙を通じて、沖縄住民の代表者が国会に参加し、国政の審議に携わることが可能になりました。

しかし、この特別措置はあくまで沖縄復帰までの過渡的なものでした。1972年5月15日、琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定が発効し、沖縄が日本に復帰すると同時に、この法律は廃止されました。沖縄の復帰に伴い、関連する法令が改正され、沖縄住民は日本国民として通常の選挙制度を通じて国政に参加できるようになったためです。

意義

沖縄住民の国政参加特別措置法は、沖縄が日本に復帰するまでの間、沖縄住民が国政に参加する道を開いたという点で重要な意義を持ちます。この法律によって、沖縄住民の意見を国政に反映させる試みが行われ、復帰後の沖縄の発展に繋がる貴重な経験となりました。また、この法律は、特殊な状況下においても、国民の意思を国政に反映させるための制度設計の重要性を示す事例とも言えます。

関連項目

国会 (日本)
日本の国会議員

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