沖縄唐手研究倶楽部

沖縄唐手研究倶楽部の概要

沖縄唐手研究倶楽部は、沖縄県那覇市に位置し、大正末期から昭和初期にかけて空手（当時は唐手）の共同研究を目的とした組織です。このクラブは、空手史において初めて統一的な研究機関として認識されており、その成立には多くの空手家たちの協力が寄与しました。

設立の背景

クラブの設立に尽力したのは、宮城長順という武道家です。彼は、データが不足し、研究の道が困難であることを痛感していました。彼の弟子である仲井真元楷によると、宮城は「カラ手を研究するのは、暗闇の中で手探りで進むようなものだ」と述べ、先輩たちから教えを請いながらも疑問が解決されない状況に苦悩していたとのことです。このような背景から、空手の研究と交流を促進するために、共同研究機関の設立を計画しました。

クラブの設立

沖縄唐手研究倶楽部の名称には、いくつかの異なる表記があり、その背景にある詳細は不明ですが、一般には「クラブグヮー（小）」と呼ばれていました。設立年についても様々な文献において異なる表示があり、1923年から1926年の間で言及されています。設立当初は、露天での稽古が行われていましたが、宮城の努力により道場が完成し、その後は道場での稽古に移行しました。

道場の面積は約10～20坪で、庭も含めて使用され、様々な鍛錬具がそろっていました。ここで、毎月の初日や15日には師範たちが集まり、特別な絵を飾って礼を尽くし、共に空手について語り合う時間を持っていました。

経営の厳しさ

設立当初の豪華な発展があったものの、経営は赤字続きであったと言われています。昭和初期に会長の本部朝勇が亡くなると、クラブは閉鎖の道を進むことになります。閉鎖については、1927年頃や1929年頃と文献によって異なる証言がありますが、いずれにせよ、クラブの消滅は多くの空手家にとって惜しいできごとでした。

参加したメンバー

沖縄唐手研究倶楽部には、数々の著名な空手家が参加していました。特に本部朝勇や宮城長順、摩文仁賢和などの名前はよく知られています。他にも、屋部憲通や喜屋武朝徳などの重要なメンバーがいたことが文献で確認されています。また、上原清吉などは「茶ワカサー」として参加し、交流に重要な役割を果たしました。

結論

沖縄唐手研究倶楽部は、単なる研究機関にとどまらず、空手界全体の発展に寄与した名残があります。その活動は、今もなお多くの武道家の心の中に息づいています。空手の歴史やその発展を知る上で、このクラブの存在は欠かせないものとして語り継がれています。

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