河下水希

河下水希：多岐にわたる作風で魅せる漫画家

河下水希（かわした みずき）は、1971年8月30日生まれ、静岡県出身の女性漫画家です。彼女は、少年漫画と少女漫画の両方の要素を取り入れた独自の作風で、多くのファンを魅了してきました。また、桃栗みかん（ももくり みかん）のペンネームでイラストレーターとしても活動しています。

デビューと初期の活動

学生時代から少女漫画家を志していた河下は、一度一般企業に就職した後、再び漫画制作に励みます。1992年、イラストレーターとして桃栗みかん名義でデビュー。主に小説JUNEなどの雑誌やライトノベルの表紙、挿絵を手がけました。1994年には、『オフィスユー』で漫画家として本格的にデビューし、初期にはボーイズラブ作品も手がけていました。

作風の転換と少年誌への挑戦

1998年からは、『ぶ〜け』などの少女漫画誌でコメディ色の強い作品を発表し、作風に変化が見られます。その後、2000年に『週刊少年ジャンプ』に移籍し、河下水希名義で『りりむキッス』を発表。しかし、この作品は少年読者の共感を得られず、短期間で打ち切りとなりました。

2002年からは『いちご100%』を連載開始。約3年半にわたる長期連載となり、彼女の代表作の一つとなりました。その後も、『初恋限定。』などの作品を少年誌で発表し、人気を博します。

さらなる活躍と桃栗みかん名義の復活

近年では、『ジャンプスクエア』で『てとくち』を連載するほか、西尾維新原作の読切漫画企画「大斬」にも参加。2015年には、15年ぶりに桃栗みかん名義での作品を発表し、女性向け漫画雑誌『YOU』で『群青にサイレン』を連載しました。この作品は、後に『少年ジャンプ+』に移籍し、ネット配信されました。

河下は、少年誌においては、お色気シーンを前面に出したコメディと少女漫画的な心理描写を組み合わせた作風が特徴です。彼女自身は、明るい展開を好み、「『感動した』と言われるより『面白かった』と言われる方がいい」と語っています。また、女性キャラクターの描写には定評があります。

多彩な趣味と制作スタイル

河下は、デビュー当時からゲーム好きを公言しており、長電話やカラオケもストレス解消法としています。また、料理も趣味であり、アシスタントに手料理を振る舞うこともあったようです。制作スタイルは独特で、座椅子に体育座りをして、ひざの上にスケッチブックを置いて描くといいます。速筆家としても知られ、繊細なタッチの作画が特徴です。

河下水希は、その多才な才能と幅広いジャンルへの挑戦で、今後も多くの読者を魅了し続けることでしょう。

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