河南省 (中華民国)

河南省について

河南省は、かつて中華民国に存在した省であり、現在の中華人民共和国河南省に相当します。この地域は地理的に重要な位置を占めており、さまざまな歴史的出来事が展開されました。以下では、地理、歴史、行政区画について詳しく見ていきます。

地理

河南省は清代の管轄地域を引き継ぎ、現在の中華人民共和国の河南省全域を含むほか、一部は安徽省金寨県や湖北省大悟県の東部にも及びました。東側は山東省や安徽省、北側は山西省と河北省、南側は湖北省、西側は陝西省と接しています。この地理的位置が、河南省の政治的、経済的な重要性を高めていました。

歴史

河南省の歴史は、1912年に中華民国が成立した際から本格化します。民国元年の3月には、河南巡撫が河南都督に改称され、その後も統治形態が変化しました。1913年には、民生部門の長官として民政長が設置されるも、都督がその職務を兼任していました。1914年には民政長が巡按使に改称され、その後、巡按使は省長に再編成されました。

1927年には国民党中央政治会議によって河南省政務委員会が設置され、武漢政府、後には南京政府の管轄下に入りました。特に1937年からの日本との戦争では、河南省が日本軍に占領されることになり、南京政府の実効支配権が失われ、河南省政府は亡命政権となりました。その後、1945年に日本が敗戦すると中華民国の統治権が再び回復されましたが、1948年には共産党勢力によって開封県が解放され、中華民国の実効支配権が失われることとなりました。

省会と省の運営

河南省の省会は開封県にありましたが、日中戦争により日本軍の占領を受け、1938年には鎮平県、1939年には洛陽県、1942年には魯山県などに移転しました。1945年に日本が敗れた後、再び開封県に戻る形で省の中心が復活しました。

行政区画

河南省は清代には「道」と呼ばれる行政区画が設けられており、開帰陳許道、彰衛懐道、河陝汝道の3つがあった後、1912年以降は新たに豫東道、豫西道、豫南道、豫北道が設置されました。1927年には北伐の結果、河南省内の道制が廃止されました。

中華民国成立直前には、110の県が管轄され、これには安陽、鄭、洛陽などの多くの県が含まれていました。特に開封県は清代より重要な地域として知られており、1912年には開封府の直轄となりましたが、後に県制が施行された際に改名されました。

行政督察区

1932年には行政の効率を高めるために全省を行政督察区制度に基づいて分割し、14区に分けました。以降の戦局や政治的な変化によって、区の数は変わっていき、戦後の中国共産党による解放までこの体制が継続されました。

以上が河南省の地理と歴史、管理体制の概要です。この省は多くの歴史的事件が起こった場所であり、現代においてもその影響を感じることができる重要な地域です。

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